1992 Fiscal Year Annual Research Report
インスリン依存型糖尿病における運動療法の確立に関する研究
Project/Area Number |
04670585
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
雨宮 伸 山梨医科大学, 医学部, 講師 (10118903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 正法 山梨医科大学, 医学部, 助手 (80233146)
東田 耕輔 山梨医科大学, 医学部, 助手 (60173142)
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Keywords | インスリン依存型糖尿病 / 小児 / 運動療法 / 消費エネルギー / 有酸素運動 / トレッドミル負荷 / ナトリウム代謝 / 糖尿病性腎症 |
Research Abstract |
小児インスリン依存型糖尿病(IDDM)における運動療法の影響を検討し、以下の特徴を明らかにした。 1.トレッドミルによる急性運動負荷の影響 a,男子IDDMは対照群に較べ予測最大酸素消費量が有意に低下しており、女子では有意差はなかった。また、動脈硬化指数3以下のIDDMでも有意な低下が認められた。 b,有酸素運動の指標としての乳酸・ピルビン酸の増加度には対照群との有意差はなく、無酸素閾値の推定には呼吸商の定常運動からの増加0.18が相関した。この指標により安全に有酸素運動能を計測できると考えられた。 c,IDDMにおいて必ずしも厳格な運動制限基準となる血糖値を定めなくても、通常の食事摂取とインスリン投与がなされれば、急性運動による血糖・ケトーシスの増悪は認めなかった。 d,IDDMにおける急性運動時の血圧上昇は大きく、心房性Na利尿および抗利尿ホルモンの反応性は対照群に較べ少なかった。またレニンの活性化障害を認めた。 2、長時間耐久運動への適応と消費エネルギー増加への対応 a,携帯心拍モニター記録からの消費エネルギー算出では、耐久運動実施日では非実施日の消費量に較べ、思春期以降のIDDMでの通常食事摂取量設定との差が増大する可能性が高かった。 b,実施日の血中ケトン体の増加と低血糖頻度の増加は有意であったが、これは補食摂取不足に起因することが多く、適切な消費エネルギー予測への補食とインスリン量の調整により対応可能と考えられた。 以上の研究成果は平成5年度日本糖尿病学会で3つの報告として発表する。長期実施効果を更に検討中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 雨宮 伸: "インスリン依存型糖尿病におけるスポーツの意義と課題" 小児科. 33. 735-744 (1992)
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[Publications] 雨宮 伸: "糖尿病の療養指導'92 (分担)" 診断と治療社, 216(7) (1992)