1992 Fiscal Year Annual Research Report
てんかん発症の成因に関する実験的研究-ペンチレンテトラゾールキンドリングラットを用いた神経薬理学および組織化学的検討-
Project/Area Number |
04670594
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
永井 利三郎 大阪大学, 医学部, 講師 (50124748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大和谷 厚 大阪大学, 医学部, 助教授 (30116123)
今井 克美 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
小野 次朗 大阪大学, 医学部, 助手 (20214182)
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Keywords | ペンチレンテトラゾールキンドリング / GABA / てんかん / 組織化学 / GABA-Transaminase / 微少透析法 |
Research Abstract |
ペンチレンテトラゾール(PTZ)は強力なけいれん惹起物質であるが、けいれんを誘発しない少量のPTZを繰り返しラットに投与していくと、やがて全般発作をきたし、これはPTZキンドリングとよばれ、全般てんかんのモデルとして考えられているが、そのけいれん発症のメカニズムについてはあまりよく分かっていない。けいれん抑制機構の主役をなすGABA神経のPTZけいれん発症における役割について検討することはてんかんの抑制・治療を考えていく上で重要である。本研究ではPTZキンドリングけいれんにおけるGABAの役割に就いて、特に脳内微少潅流法を用いてアミノ酸遊離特性を調べること及び組織化学的な手法を用いて形態学的な変化を調べることを目的として行なった。 【結果】(1)GABA免疫組織化学:抗GABA抗体を用いた免疫染色では、PTZキンドリングラットに於て明らかな変化を認めなかった。(2)GABA-T再合成実験:GABAの分解酵素であるGABA-Transaminase(GABA-T)の非可逆的阻害剤Gabaculineをラット腹腔内に投与し、一定時間後にGABA神経で再合成されて来るGABA-Tを酵素組織化学的に検出してPTZキンドリングラットのGABA神経におけるGABA-Tの再合成能を検討した。その結果GABA-Tの再合成は黒質網様部において著しい遅れが見られたが、一方電気キンドリングにおいて回復の遅れが報告された海馬や大脳皮質では、明かな遅れはみられなかった。(3)in vivo潅流実験:PTZキンドリングラット脳においてGABAを含む各種アミノ酸の組織内遊離を検討すすめる目的で、基礎的な検討を行った。痙攣発作時のマイクロダイアリシスを行うために、ウレタン麻酔下に人工換気を行い、透析を行うシステムを確立した。また潅流液中に回収されたGABAの分析について、オルトフタルアルデヒドとメチルメルカプタンを用いたプレカラム誘導体化法による逆相系HPLC-蛍光検出法を新たに確立した。
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Research Products
(1 results)