1993 Fiscal Year Annual Research Report
百日咳における早期診断法の確立とワクチンの有効性に関する研究
Project/Area Number |
04670605
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岡田 賢司 九州大学, 医学部, 助手 (80224012)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日高 靖文 九州大学, 医学部, 助手 (10253410)
宮崎 千明 九州大学, 医学部, 講師 (30190763)
植田 浩司 九州大学, 医学部, 教授 (00038647)
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Keywords | 百日咳 / 菌分離 / IgM抗体 / IgA抗体 |
Research Abstract |
1 早期診断法の確立 百日咳の早期診断としては、細菌学的診断法と血清学的診断法が考えられる。細菌学的診断法としては、百日咳菌分離とPCR法があり今回の研究は菌分離に重点をおいた。昨年度までは百日咳の小流行がみられ臨床的に百日咳を疑った症例では従来より高率に菌分離ができることが判明した。本年度は百日咳の流行はなく菌分離症例の解析はできなかった。 血清学的早期診断法としては、百日咳毒素などに対するIgM抗体を検出する方法を検討中であるが非特異反応除去に至っていない。このため線維状赤血球凝集素に対するIgA抗体測定を行い両抗体の組み合わせで解析したい。 2 ワクチンの有効性 わが国では、1981年から世界に先駆け無細胞DPTワクチン(acellular DPTvaccine)の接種を開始した。このワクチンは、従来の全菌体ワクチンに比べ発熱や脳症等の全身的副反応や局所の副反応が少なく有効性も全菌体ワクチンと同等とされ私たちもその臨床的評価を家族内感染などで解析してきた。 本年度は、ジフテリア、百日咳、破傷風に対する抗体の持続に着目し検討を行った。ジフテリアと破傷風に対する抗毒素抗体価は接種後10年経過していても感染防御レベル以上にあった。百日咳毒素や線維状赤血球凝集素に対する抗体価はともに低値で百日咳の乳幼児への感染源として注目されている学童や生徒、成人の百日咳を考えていく上で重要な問題と思われる。
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