1992 Fiscal Year Annual Research Report
神経線維腫症増殖因子に関する基礎的研究と臨床への応用
Project/Area Number |
04670634
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
石川 治 群馬大学, 医学部附属病院(皮膚科), 講師 (90168188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 宏昭 群馬大学, 内分泌研究所(化学), 助教授 (50008611)
堀内 龍也 群馬大学, 医学部附属病院(薬剤部), 教授 (90008342)
大西 一徳 群馬大学, 医学部附属病院(皮膚科), 講師 (60176948)
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Keywords | 神経線維腫症 / 細胞増殖因子 / シグナル伝達 / rasGTP蛋白 |
Research Abstract |
現在、Neurofibroma-derived fibroblast stimulating factor(NFSF)の精製は患者神経線維腫からP4カラム、セファデックスG25ゲル濾過の段階までは再現性をもって精製できる条件を確立した。Mono-Qイオンカラムの分離を試みているがカラムへの吸着が多く、完全分離に至って折らず、従って最終的に分離される試料の量が激減してしまう。さらに適当な条件を検討している。本年度は、部分精製したNFSFのsignal transductionについても、rasGTPとrasGDPに注目し検討した。細胞を32P-リン酸でラベルし、抗ras蛋白抗体、protein A-Sepharose CL4Bを用いimmunoprecipitation法でras蛋白を沈殿、polyethyleneimine cellulose上で展開、オートラジオグラフィーを行なった。Neurofibroma-derived fibroblastは、血清やgrowth factor無添加ではマウス腎癌樹立細胞株(Y1)および正常人皮膚fibroblastに比しGTP量が多く、NFSFあるいはPDGF-AB添加により一層優位となった。この結果は、NFSFのシグナル伝達経路の一つとしてPDGFと同様にレセプターのリン酸化をシグナルとし、ras oncogeneを介してneurofibroma-derived fibroblastの細胞増殖に働いている可能性が示唆された。即ち、神経線維腫症の神経線維腫構成細胞の一つであるneurofibroma-derived fibroblastはシュワン細胞とともに反応性増殖ではなく、腫瘍性増殖を行なっているものと考えられる。
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