1993 Fiscal Year Annual Research Report
神経線維腫症増殖因子に関する基礎的研究と臨床への応用
Project/Area Number |
04670634
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
石川 治 群馬大学, 医学部・皮膚科, 助教授 (90168188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 宏昭 群馬県立医療短大, 生化学, 教授 (50008611)
堀内 龍也 群馬大学, 医学部附属病院・薬剤部, 教授 (90008342)
大西 一徳 群馬大学, 医学部・皮膚科, 講師 (60176948)
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Keywords | 神経線維腫症 / 細胞増殖因子 / L-ascorbic Acid 2-phosphate / 三次元培養 |
Research Abstract |
これまでneurofibroma-derived fibroblast stimulating factor(NFSF)を分離・精製するに十分な患者試料が恒常的に得られないという問題があり,研究の障害となっていた。そこで,我々は,神経線維腫由来線維芽細胞を大量培養し,そこからのNFSFを抽出することを試みた。通常の培養系に活性型アスコルビン酸(L-ascorbic acid 2-phosphate)を添加することにより,神経線維腫由来線維芽細胞は正常部皮膚と同様に細胞外基質に囲まれて多層化し三次元構築をとった。注目すべき点は,活性型アスコルビン酸添加により神経線維腫由来線維芽細胞の増殖が亢進したことであったが,本症の発症との関連は現時点では不明である。次いでこの細胞層をP4カラム,セファデックスG25ゲル濾過,Mono-Qイオンカラムで分離した。分画後の各画分を用いて,Y1細胞および神経線維腫由来線維芽細胞を標的細胞として,^3H-thymidinenの取り込みを指標に増殖活性を調べた。その結果,これまでの結果と同様に,低分子画分に増殖活性が認められた。本年度の研究では,安定してNFSFを得る方法が確立されたと考えられ,次年度は精製された画分を用いて抗NFSF抗体の作成しアッセイ法の確立を行う予定である。
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