1992 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト血管内皮細胞の免疫機能分子と血管新生(特に皮膚肥満細胞との相互作用)
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04670636
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
窪田 泰夫 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教授 (10126047)
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Keywords | 血管内皮細胞 / 血管新生 / 基底膜 / インテグリン / 肥満細胞 / フェノタイプ |
Research Abstract |
材料としての血管内皮細胞(以下EC)の確保はおもにヒト臍帯静脈を用いたが、十分量の供給確保が可能となっている。ただし皮膚由来のECの培養に関してはその材料供給量に問題があり必ずしも満足のいくほどの実験はできなかった。まず基底膜成分ゲル(マトリゲル)の上でこのECを培養することにより認められる毛細管網構築の定量化に関してはニレコ社の協力によりコンピューター画像解析システムを確立し、in vitroで毛細管網構築の計測を行った。その結果毛細管網構築にいくつかのインテグリンの関与が示唆された。この画像解析システムは今後も血管新生モデルの新しい定量法として有用と考えられた。またこの毛細管網構築形成にはラミニンが重要な因子であることからラミニン分子由来の合成ペプタイドであるYIGSRとRGDSを用いて再構成ゲルをつくり、ECを培養したとろこYIGSRにのみ毛細管網構築形成能を認めた。さらにこのマトリゲルによる三次元的培養系でのECの形態変化を観察したところ、ECは伸展延長し互いに連結し網目状を呈した。しかも個々のECには細胞質内に小管腔が形成され、これはECに特異的であった。この変化はECの分化の1つの表現型として捉えている。次に外科手術材料皮膚を用いた成人皮膚肥満細胞の分離についてはその技術は十分に確立された。そこでサイトスピン標本を作成し、その表面抗原を免疫組織化学的手法を用いて検索した。その結果、各種インテグリン,細胞接着因子,免疫グロブリンレセプター,クラスII抗原などの存在が確認され、他の臓器由来の肥満細胞とは異ったユニークな表現形質を示した。また皮膚にのみ発生した肥満細胞の腫瘍病変を用いて同様に表面抗原の解析を行ない、正常のそれと比較検討した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] KUBOTA YASUO: "Modulation of Morphological Differentiation of Human Endothelial Cells in Culture by Synthetic peptide YIGSR and GytochabsinB." Clincal and Experimental Dermatology. (1993)
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[Publications] 窪田 泰夫: "血管新生におけるラミニンドメイン由来ペプタイドおよびサイトカラシンBの作用について -培養ヒト血管内皮細胞を用いた検討-" 聖マリアンナ医科大学雑誌. (1993)