1994 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトインターロイキン1βの産生並びに活性化機構に関する研究
Project/Area Number |
04670638
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Research Institution | MIE UNIVERSITY |
Principal Investigator |
水谷 仁 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (30115737)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲地 真 三重大学, 医学部附属病院, 助手 (60242939)
橋本 健治 三重大学, 医学部附属病院, 助手 (20252364)
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Keywords | インターリューキン / 1L-1β転換酵素 / 1L-1β / レセプター / ケラチノサイト |
Research Abstract |
平成6年度には平成5年度において確立されたIL-1/proIL-1beta特異的ELISA系を用いて臨床サンプル(炎症性皮膚疾患、ショック患者など)での測定を行った。臨床サンプル単核球培養上清および細胞外液におけるIL-1βは主に生物活性のあるmature fromIL-1βであり、細胞内組織内IL-1βは生物活性の無いproformIL-1βであることを明らかにした。また、炎症性皮膚疾患におけるIL-1β転換酵素の存在は炎症性浸潤細胞に限られ表皮細胞には発現していないことが明らかになった。このため、皮膚における炎症反応の誘導継続には浸潤する骨髄由来細胞の重要性が明らかになった。一方、このIL-1と反応するIL-1レセプターの存在を培養ケラチノサイトにて検討した。スキャッチャー分析および抗体によるIL-1結合抑制試験ならびにPCRによるメッセージで正常ケラチノサイトIL-1レセプターはtype1であるのに対し、TPA等刺激ケラチノサイトではtype2が誘導されることが明らかになった。さらに、正常皮膚、乾癬皮膚のin situ binding assayによる及び免疫組織学的検討により、正常皮膚での低いIL-1レセプター発現はorgan cultureによりtype2が誘導され、また炎症性皮膚疾患の例として乾癬におけるIL-1レセプターは正常皮膚と異なり、大量のIL-1レセプターtype2が乾癬病変部基底層に発現していることを明らかにした。 以上の事実より、炎症性皮膚疾患における炎症のコントロールシステムとしてのIL-1の役割を明らかにできた。
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[Publications] 水谷仁: "皮膚における1L-1,1L-1レセプター" 日本皮膚科学会雑誌. 104. 1643-1644 (1994)
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[Publications] Groves,RW: "Detection of Iinterleukin-1 Receptors in Human Epidevmis" American Journal of Pathology. 145. 1048-1056 (1994)