1992 Fiscal Year Annual Research Report
膠原病の皮膚症状の発現における自己抗体,特に抗ユービキテン抗体の役割
Project/Area Number |
04670648
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
衛藤 光 北里大学, 医学部, 助教授 (20137920)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関根 敦子 北里大学, 医学部, 助手 (50226651)
浅井 寿子 北里大学, 医学部, 助手 (20231863)
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Keywords | ユービキチン / 抗ユービキチン抗体 / SLE / リベド / CNSループス |
Research Abstract |
ユービキチンは蛋白の生体内分解除去機構に関与する一種の熱ショック蛋白であるが、その病態的意義については従来あまり検討されていなかった。今年度は、各種自己抗体の膠原病の皮膚症状における役割を検討する一環として、まず全身性エリテマトーデス(SLE)患者血清中の抗ユービキテン抗体の存在の検討を行なった。その結果、SLE患者の約70%に血清抗体価の上昇を認めた。臨床的症状との関係を検討したところ、皮膚症状としてリベド、内蔵々器症状としてはCNSループスを伴う症例に抗体価の上昇を、高頻度で認めた。次に、抗ユービキチン抗体を用いて、SLE患者の皮膚病変局所における、ユービキチンの発現を検討した。その結果、正常皮膚では表皮細胞の細胞質に細顆粒状の陽性所見を認め、これは角質においても強く認めた。また、真皮においては比較的びまん性に陽性所見を認め、これは細胞内のみならず、間質にも存在している可能性が示唆された。SLE、亜急性エリテマトーデス、慢性円板状エリテマトーデス(DLE)を含めたエリテマトーデス患者37例について検討したところ、29例の表皮に細顆粒状からびまん性の強い陽性所見を認めた。残りの8例ではコントロールと同様に表皮細胞は弱く細顆粒状に染色された。この結果はエリテマトデス3者間、すなわちSLE、亜急性エリテマトーデス、DLEのサブグループ間での陽性頻度の差は認めなかった。陽性患者と陰性患者間の臨床的な差異については現在検討中である。
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Research Products
(1 results)