1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04670653
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
溝口 昌子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (30010250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河 陽子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (10082273)
碇 優子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (70212727)
窪田 泰夫 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教授 (10126047)
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Keywords | アトピー性皮膚炎 / インターロイキン1 |
Research Abstract |
目的):アトピー性皮膚炎では皮膚表面の乾燥や、表皮由来の角層間脂質の減少があり、表皮ケラチノサイト機能に異常がある可能性が考えられる。そこでケラチノサイトの機能を調べることを目的に、表皮に大量に含まれるインターロイキン1(IL-1)の量を正常と比べると共に、培養ケラチノサイトにIL-1を添加し、角層間脂質を供給するオドランド小体の異常の有無を検討した。 方法):1)ウエスタンブロットによる皮膚IL-1の検出:生検皮膚を65C1分処理し、分離した表皮を50ug/mlの濃度のsoybeantrypsin inhibitorとpepstatin及び2mMのEDTAを添加したPBS中で、マイクロホモジナイザーにてホモジネートし、2000rpm、10分遠心後の上清を更に15000rpm、1時間遠心し、その上清を蛋白溶液として回収した。総蛋白量約0.5ug/レーンについて12%SDS-PAGEを施行し、ニトロセルロース膜に転写した。酵素抗体法は一次抗体はgenzyme社のポリクローナル抗IL-1α及びβ抗体を使用し、ビオチン-ストレプトアビジン法により染色した。ニトロセルロース膜上のIL-1のバンドを観察した。 2)有棘細胞由来細胞株(HSC-1)に昨年至適濃度を検討したIL-1のβとαそれぞれ100ng/mlを加え培養し電顕的に観察した。 結果):1)蛋白濃度が薄かったため、バンドが非常に弱かったがアトピー患者の皮膚におけるIL-1はα、β共に正常皮膚のそれより発現量がやや減少した。 2)IL-1添加より無添加の培養ケラチノサイトにオドランド小体が多い傾向があったが、培養細胞のため細胞の面積に差があり、正確な定量的比較は出来なかった。 結論および考察):アトピー性皮膚炎患者ケラチノサイトの機能異常がある可能性が示唆された。オドランド小体の正確な定量は困難であるので、ケラチノサイトのIL-1量の定量を試み、角層間脂質などの皮膚の生理機能との関連を今後検討したい。
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Research Products
(1 results)