1992 Fiscal Year Annual Research Report
肝及び肝癌内銅沈着が磁気共鳴診断における信号強度に与える影響の研究
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04670662
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
松井 修 金沢大学, 医学部, 助教授 (10019961)
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Keywords | LECラット / 銅沈着 / 肝細胞癌 / MRI |
Research Abstract |
1.LECラットを2群にわけて購入,飼育している。平成4年1月に購入した群(A群;現在13匹)は16ケ月令に達し,肝細胞癌合併期に入っている。平成4年6月に購入した群(B群;現在10匹)は10ケ月令に達し,慢性肝炎期に入っている。 2.上記2群のラット数例に対し1.5T超電導MRIを使用してMRI画像を得た。A群のラットでは正常肝と異なる信号強度を呈す腫瘤性病変を肝内に認めた。この腫瘤は病理組織学的に肝細胞癌と確認されている。B群のラットからもMRI画像を得ているが,明瞭な腫瘤性病変は認められていない。A群とB群との肝臓の信号強度に関しては異なるとの印象を受けているが,例数が少なく今後の検討が必要と思われた。 3.上記の2群のLECラットに加え,normal controlとしてウィスター系ラット(現在5匹)についてもMRI画像を得ており,A,B群と同様に病理組織学的検討並びに原子吸光法にて銅濃度を測定する予定である。 4.研究計画を提出した後に,LECラットの肝臓に銅と同じように正常よりも過度の鉄が沈着を来す事実を知り,この過度の鉄がMRI画像に及ぼす影響を知るために,鉄に対しても染色ならびに原子吸光法にて濃度を検討する事にした。 5.現在各群のラットに対しMRI画像を得た後に,銅及び鉄の沈着につき検討を加えている段階である。肝,肝癌部,筋肉組織等の組織間の信号強度の比を算出し,また原子吸光法にての絶対値を検討し銅が与える信号強度への影響を明らかにしていく方針である。
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[Publications] Kawamori,Y.Matsui,O.,Kadoya,M.,et al: "Differentiation of hepatocellular carcinomas from hyperplastic nodules induced in rat liver with ferriteーenhanced MR imaging." Radiology. 183. 65-72 (1992)
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[Publications] Kadoya,M.,Matsui,O.Takashima,T.: "Hepatocellular carcinoma:correlation of MR imaging and histopathologic findings." Radiology. 183. 819-825 (1992)