1992 Fiscal Year Annual Research Report
癌細胞に毒性を示すサイトカインの電離放射線による誘導に関する基礎的検討
Project/Area Number |
04670664
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
中津川 重一 福井医科大学, 医学部, 講師 (00180315)
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Keywords | cyfotoxic tytohine / X-ray / human cancer cells / mude mcie / human lung cancer xenograft |
Research Abstract |
電離放射線によるヒト癌細胞からの細胞毒性を示すサイトカイン産生誘導に関する基礎的検討を始めた。ヒト肺癌由来AOI細胞(放影研 秋山實博士により分与)以外からのX-線による細胞毒性を示すサイトカイン誘導は調べた限り認められなかった。25Gy照射したAOI細胞からの誘導に関して、当初予定していた無血清培地よりもα-MEMで得たconditicned mediaの方が細胞毒性が強かった。これをミリポアフィルターで濾した後、AOI腫瘍を担っているKSN miceに投与し続けた所、腫瘍の増殖抑制が認められた。そこでmonoclonal untibodyを用いて、ELISAにより既知のサイトカインが含まれているかどうかを検討したが、AOI細胞に毒性を示さないIL-lα、IL-6、GM-CSFのみが検出された。細胞毒性を示す物質の同定を試み、限外濾過した後、硫安沈殿分画が細胞毒性を示すことを観察した。またtrypsin、OTT処理によってその活性が失われることも確認し、活性が蛋白質にあることが示唆された。およその分子量を知る目的で、ceutricon 3、10、30を用い、各々のfiltrate分画の細胞毒性を検討した。その結果、活性は分子量30,000以上の分画に認められた。しかし、その後、CM cellulcseクロマトグラフィー、DEAE-クロマトグラフィーなどの検討をした所、活性分画が少なくとも、三つ以上に分かれ、しかも一つ一つの分画の活性がそれ程、強くないことが明らかとなってきた。すなわち、X線によるAOI細胞からの細胞毒性を示す蛋白質の誘導が確認されたが、そけは単一の蛋白質ではなく、既知のサイトカインでもなく、産生が誘導された少なくとも3種類の比較的細胞毒性の弱い、分子量30,000以上の蛋白質の作用によることが示唆された。
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[Publications] Shigehazu Nahatsugwa et al: "Protective effects adrenochrome monoaminuguanidine methansulfanate and tytechrome C on natural killer cells in the poripheral blood of cancer patyents during radiotherapy" J.Jgn.Sot.Cancer Ther. 27. 1020-1031 (1992)
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[Publications] 中津川 重一: "癌治療の細胞生物学 プロローグ" 癌の臨床. 38. 1397-1403 (1992)
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[Publications] Hiroki Shioura、Shigehazu Nakatsugawa、Norio Takahashi et al: "Cytoprotection and Cytohidogy vol.10 p240-250" Excerpda Medica, 290 (1992)