1992 Fiscal Year Annual Research Report
椎体骨基質の加齢及び骨粗鬆症における変化とそのMRI像に関する基礎的臨床的研究
Project/Area Number |
04670669
|
Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
杉村 和朗 島根医科大学, 医学部, 助教授 (00136384)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 和明 島根医科大学, 医学部, 助手 (70200954)
石田 哲哉 島根医科大学, 医学部, 教授 (20030900)
|
Keywords | 骨粗鬆症 / MRI / chemical shift imaging |
Research Abstract |
目的:骨粗鬆症は閉経後の女性,高齢の男女に多く,最近の高齢化社会の出現と共に注目されている.その病態には,骨量の減少に加えて骨基質成分の変化も関与している.本研究は骨粗鬆症における骨基質の変化を評価するうえで,MRI,chemical fat saturation(FS法)が有用かどうかについて実験的および臨床的に検討することを目的とする.対象および方法:成熟雌New Zealand White系兎を用い,プレドニンおよび長期放出型LH-RH agonistで実験的骨粗鬆症モデルを作成した.臨床例として悪性腫瘍,血液疾患,腰椎椎間板疾患を合併していない女性50人(19-82歳,平均年令44.0歳)を対象とした.MRI装置はGE社製SIGNA(1.5T)を使用し,スピンエコー法のT1強調像(T1W1),T2強調像(T2W1),FS法のT1強調像,T2強調像の矢状断を撮像した.兎,患者共に各パルス系列で腰椎の信号強度を測定し,同時に撮像したGd-DTPA添加PVA製ファントムの信号強度で補正した.結果:実験的骨粗鬆症の信号強度比は通常のスピンエコー法ではT1W1,T2W1ともに有意差を認めなかった. 一方FS法では骨粗鬆症群は対照群に比べT1,T2強調像共に,有意に信号強度の低下を示した.正常女性の加齢による変化の検討では,FS法の信号強度は加齢により有意差はないが低下する傾向にあった.考察および結論:FS法によって椎体骨髄の加齢および骨粗鬆症による変化をとらえることができる.ただしこれは骨梁の有機成分の変化に加えて造血組織の減少,骨梁の狭小化等の影響が考えられる.正確に椎体骨基質の変化を捉えるにはこれらの影響を除去する必要がある.そこで次年度ではパルス系列の改良,Gd-DTPAによる造影を行ない骨基質変化だけをとらえる研究を行なう予定にしている.
|
Research Products
(1 results)