1992 Fiscal Year Annual Research Report
ニューラルネットワークを用いた肝実質性疾患の超音波画像の定量解析システム
Project/Area Number |
04670671
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Research Institution | Kochi Medical School |
Principal Investigator |
久 直史 高知医科大学, 医学部, 助教授 (30129621)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾川 浩一 法政大学, 工学部, 助教授 (00158817)
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Keywords | 超音波診断 / 肝臓 / 肝実質性疾患 / 肝硬変 / ニューラルネットワーク |
Research Abstract |
既にX線フィルムに撮影された正常例および肝硬変症例の超音波画像をデジタイザで読み取ったデータをベースとして,入力層4・中間層4・出力層1からなる3層の階層型ニューラルネットを構築し,肝実質の超音波画像の定量的評価を行なった。これまでの研究により第1次統計量としては,平均値m・分散V・変動率R・2次から4次のパワースペクトラムを累積したフーリエ特徴量が有用であることが判明した。学習にはバックプロパゲーション法を用い結合係数ωの学習係数α=0.4,閾値θの学習係数β=0.3,モーメント項の係数m=0.6(但し,モーメント項の係数mは学習毎に0.02ずつ増加させ,最大値を0.9とする。)での修正モーメント法を採用することとした。ニューラルネットへの入力は画像(1024x1024)から切り出した関心領域(32x32)の特徴量を使用した。また,ニューラルネットへの教師信号は正常例を0,肝硬変例を1とした。このシステムを用いて正常例15例,肝硬変例15例の計30症例をデータを入力するとともに学習パターン以外のデータの評価を試みたところ,熟練した医師の診断とほぼ一致する結果が得られた。更に,科研費により購入したSPARC station IPXと超音波診断装置(日立EUB565A)とを直接に接続することによって,検査中にそのままデータの入力や解析が可能なシステムを構築することができた。現在,このシステムにより臨床症例および剖検標本のデータを収集中であり,データの蓄積によりシステムの完成を目指している。
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