1992 Fiscal Year Annual Research Report
カドミウム中毒症の腎画像学的変化及び細胞内エネルギー代謝の変化
Project/Area Number |
04670680
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
横田 啓 金沢医科大学, 放射線医学, 助手 (30182695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辰田 昇 金沢医科大学, 放射線医学, 助手 (60197382)
利波 久雄 金沢医科大学, 放射線医学, 助教授 (70139773)
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Keywords | カドミウム中毒症 / ^<31>P-MRS / MRI / 腎 / 高エネルギーリン酸代謝 |
Research Abstract |
ラット皮下に1mg/kgのカドミウムを週3回投与し,急性カドミウム中毒ラットを作成した。これらのラットに対しMRIを施行し腎障害の程度と画像学的変化を検討し,また,^3P-MRSを使用しカドミウムが高エネルギーリン酸代謝に及ぼす影響を検討した。 1.MRIによる腎の変化;カドミウム投与18週目において腎の皮質と髄質の境界が消失を呈すラットが出現し,21週目のラットにおいては,T_1強調画像により約60%の皮髄境界の消失が認められた。しかし,T_2強調画像においては約20%の皮髄境界の消失を認めるにすぎづ,T_1強調画像においてより有意な消失率を示した。 2.^<31>P-MRSによる検索;画像的に皮髄境界の消失が明瞭に出現した18週目のラットにおいて,対照群のラットと比較した。α-ATPを基準とした各リン酸代謝産物の化学シフトのうち,PDEにおいて18週目のラットは対照群と比較し有意な左方移動と認めた。また,β-ATPを基準とした信号強度比においては,PME/β-ATP及び,Pi/β-ATPの比率が18週目のラットにおいて,対照群と比較し減少を示した。Pi/ATPも対照群と比較し減少を示したが,細胞内pMは,両者の群において差を認めなかった。 3.組織内カドミウム量;各群のラットの肝及び腎のカドミウム含有量を湿式灰化法を利用し,フレーム原子吸光光度計にて測定した。腎組織内カドミウム量は,3週目に17.9(μg/g湿重量),12週目に73.7(μg/g湿重量)に,18週目には160.4(μg/g湿重量)に達した。血液中及び尿中のカドミウム量,血清の生化学的検索を現在施行中である。 慢性期カドミウム中毒症のラットは,現在5カ月目を検査中であり,これらのラットの検査結果は11月頃に明らかとなる。
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