1993 Fiscal Year Annual Research Report
カドミウム中毒症の腎画像学的変化及び細胞内エネルギー代謝の変化
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04670680
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| Research Institution | Kanagawa Medical University |
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Principal Investigator |
横田 啓 金沢医科大学, 医学部, 助手 (30182695)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三矢 哲英 金沢医科大学, 医学部, 助手 (70209815)
利波 久雄 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (70139773)
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| Keywords | カドミウム中毒症 / ラット / 腎 / 高エネルギーリン酸代謝 / 31P-MRS / 1H-MRI |
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| Research Abstract |
カドミウム200ppm含有飼料をラットに12ケ月間自由摂取させ、慢性カドミウム中毒症を作成した。これらのラットに対し2ケ月ごとに1H-MRI、31P-MRS及び骨塩量測定を施行し、血液生化学的検査の後に屠殺し、組織学的検査及び組織内カドミウム濃度測定を施行した。結果1.1H-MRIによる腎の変化において、カドミウム投与後10ケ月の群においてT1及びT2強調画像において腎被質と髄質の境界の消失を呈するラットの出現を認めた。また、12ケ月の群においては、T1強調画像でほぼ全例で、T2強調画像においても約50%で被質と髄質の境界の消失が認められた。2.31P-MRSによる腎の高エネルギーリン酸代謝の変化においては、PDEの化学シフトの位置が対照分と比較しカドミウム中毒症の群において左方移動を示した。また、信号強度比の比較においては、PME/PDE値及びPi/ATP値がカドミウム中毒群において低下を示した。しかし、細胞内pHにおいては対照群とカドミウム中毒群において差は認められなかった。3.X線骨密度測定では、カドミウム投与4ケ月の郡において対照群と比較し腰椎及び大腿骨の骨塩量の低下を認めた。また、カドミウム投与12ケ月の群においては再度有意な骨塩量の低下を認めた。4.腎組織内カドミウム量は10ケ月の群において約120.0mug/gを呈し臨界点を示した。
以上の結果より、腎組織内のカドミウム量は、10ケ月の群にて臨界点に達し、画像学的にはこの時点において1H-MRIによる腎板髄境界の消失が明瞭となった。しかし、31P-MRSの検索においては、カドミウム投与2ケ月の早期の群よりPME/PDE値及びPi/ATP値に変化が認められた。今回、我々が行なったカドミウム中毒症ラット腎の高エネルギーリン酸代謝の推移に関する31P-MRSの実験において、31P-MRSはカドミウムによる腎障害を早期に検出しえる有効な検査方法であることが示唆された。
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