1992 Fiscal Year Annual Research Report
中国帰国孤児2世(11才以下帰国者)の適応過程に関する追跡研究
Project/Area Number |
04670693
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
斎藤 正彦 東京大学, 医学部(病), 講師 (30235072)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
箕口 雅博 東京都精神医学研究所, 社会精神医学, 研究主事
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Keywords | 中国残留孤児 / 小児 / 移住 / 適応 |
Research Abstract |
【研究の概要及び目的】この研究は中国残留帰国孤児家族として日本に移往した、11才以下の小児の日本社会への適応過程を追跡するものである。研究の目的は、小児の異文化への適応過程を明らかにし、そこに生じる精神医学的、心理学的問題点を解析すること等である。 【対象及び方法】対象は1988年、1989年に帰国した孤児家族で、上記の条件を満たす小児19例である。対象は88年に帰国した12例の第1グループ、89年に帰国した7例の第2グループにわけ、今年度は第2グループ、7例の移住後3年目の追跡調査を行った。調査は、家族に対する中国語によるアンケート調査、対象小児に対する訪問調査、担任教師に対するアンケート調査等からなる。 【本年度の研究結果及び考察】対象7例中6例から調査協力を得た。昨年度に行った第1グループと合わせ、17例について移住後3年目を終了した。その結果、以下の事柄が明らかになった。 ・移住後3年で、大部分の小児はほぼ自由に日本語を操り、比較的良好な適応を果たしていた。 ・孤児及びその配偶者(本研究対象児の親)は、大部分が日本語修得を放棄しており、1年目の訪問調査時の日本語能力以下の能力しかなかった。一方、小児は中国語を忘れつつあり、家庭内コミュニケーションに将来問題が生じる可能性がうかがわれた。 ・本年度調査した1例で、不安神経症を発症し、不登校、不良グループとの交際など問題行動を起こしている例があった。 以上の結果について、より詳細に分析し、日本社会精神医学会(3月12日)で発表後、論文として公表する。 【次年度以降の計画】1993年度、1994年度に移住後5年目の追跡調査を行い、結果を分析して研究を終了する予定。
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