1992 Fiscal Year Annual Research Report
ラット中枢神経初代培養細胞に対する興奮性アミノ酸の毒性とその予防に関する研究
Project/Area Number |
04670701
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
岡本 基 岡山大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (80144757)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 秀治 岡山大学, 医療技術短期大学部, 助手 (50220009)
大井 治昭 岡山大学, 医療技術短期大学部, 助手 (50223714)
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Keywords | 培養細胞 / 神経細胞死 / 無血清培養 / ミクロデキマトリン / コンドロイチン硫酸プロテオグリカン / グリタミン酸 |
Research Abstract |
脳虚血やてんかん、痴呆性疾患における神経細胞死の原因と予防法を探る基礎的研究のひとつとして、ラットの大脳皮質初代培養神経細胞を用い、神経細胞の生存に細胞外マトリックスがどう関与するかを研究し、以下の結果を得た。 1、より単純な分析系の確立を目的としてシクロデキストリン(CD)を使った無血清培養を試み、β-CD、γ-CDが胎生16、18日目の神経細胞には胎児ウシ血清と同等の生存維持作用を示したが、胎生21日目ではやや劣り、新生児ラットの神経細胞には生存維持効果が無かった。 2、興奮性アミノ酸で引き起こされる神経細胞死の経時的変化を胎生18、21日目のラットの培養神経細胞のグルタミン酸感受性を指標に検討したところ、グルタミン酸感受性は培養日数ではなく胎生および生後日数に平行して、増強し、この分析系がin vivoでの感受性変化を反映することを確認した。 3、グルタミン酸に対する感受性はNMDAに対する感受性と平行して変化し、これは24時間暴露と10分間暴露で差がなかった。 4、生後10日のラット脳から精製した可溶性コンドロイチン硫酸プロテオグリカン(CSPG)は、胎児ウシ血清を用いた培養系では神経細胞の生存維持効果を示さなかったが、β-CDを用いた無血培養系では生存を促進する傾向があった。 5、CSPGはグルタミン酸で引き起こされる神経細胞死を防止する作用をもち、この作用はその糖鎖ではなく主にコア蛋白によるものであること、その作用には用量依存性が認められることを明らかにした。
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