1993 Fiscal Year Annual Research Report
ポジトロン断層法によるヒト脳ドーパミン代謝測定へのF-18標識プロドラックの応用
Project/Area Number |
04670714
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Research Institution | Tokyo Metropolitute of Gerontology |
Principal Investigator |
石渡 喜一 (財)東京都老人総合研究所, ポジトロン医学研究部門, 主任研究員 (50143037)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 賢二 (財)東京都老人総合研究所, ポジトロン医学研究部門, 研究員 (10231135)
千田 道雄 (財)東京都老人総合研究所, ポジトロン医学研究部門, 副参事研究員 (00216558)
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Keywords | ドーパミン代謝 / フルオロドーパ / 放射性医薬品 / ポジトロンエミッショントモグラフィー / 核医学 |
Research Abstract |
ヒト脳のドーパミン合成能を評価する標識薬剤として^<18>F標識のL-dopaのプロドッラグを合成した.4-OMICRON-pivaloyl-L-dopa(PDOPA)をacetyl〔^<18>F〕hypofluoriteにより^<18>F標識化し,メタノールリン酸緩衝液系のHPLCにより6-〔^<18>F〕fluoro-4-O-pivaloyl-L-dopa(6-FPDOPA)と2-位^<18>F異性体(2-FPDOPA)を得た. この2つのトレーサの有用性を,マウスを用いて既に臨床に使われている6-〔^<18>F〕fluorodopa(6-FDOPA)と比較検討した.6-FPDOPAは,6-FDOPAと同様に中性アミノ酸輸送により脳に取り込まれたが,その割合はやや低下した.しかし,ドーパミン合成の盛んな線条体への集積は,脳の他の部位に対する集積より高まった.また,6-FDOPAの線条体への集積は,末梢系の代謝阻害剤を投与することで著しく高まるが,6-FPDOPAに対する効果はやや小さく,プロドラッグとして性質が現れたものと考えられた.組織内の代謝物を分析すると,線条体においては,6-FPDOPAは6--FDOPA,次いで6-〔^<18>F〕fluorodopamine(FDA)と代謝されるが,他の脳部位ではFDAとはならなかった.6-FPDOPAは,ドーパミン合成能を評価する^<18>F標識プロドラックとしての可能性が示された. また,昨年度本研究所において臨床使用が可能となった6-FDOPAによるPET研究においては,健常者を対象としてPETによる代謝画像とMRIによる形態画像の重ね合わせ方法を確立し,半定量的解析を行った.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.Ishiwata,S.Ishii,M.Senda,Y.Tsuchiya,K.Tomimoto: "Electrophilic synthisis of 6-〔^<18>F〕fluoro-L-dopa: use of 4-O-pivaloy-L-DOPA as a suitabic precursor for routine produdion." Appl.Radiat.Isot.44. 755-759 (1993)
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[Publications] K.Ishiwata,S.Ishii,M.Senda: "HPLC using physiological salinefor the quality control of nadiopharmaceutecels used in PETstudies." Appl.Radiat.Isot.44. 1119-1124 (1993)