1992 Fiscal Year Annual Research Report
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌産生毒素の迅速な固定とその作用に関する総合的研究
Project/Area Number |
04670733
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
横山 隆 広島大学, 医学部・附属病院, 教授 (60034104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
檜山 英三 広島大学, 医学部・附属病院, 助手 (00218744)
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Keywords | mecA / エンテロトキシン / MRSA / 黄色ブドウ球菌 / PCR / 遺伝子診断 / TSST-1 |
Research Abstract |
mecA遺伝子、enterotoxinA〜D,TSST‐1遺伝子について計6種のプライマーを作製し、臨床分離黄色ブドウ球菌74株につき、逆受身ラテックス凝集反応(RPLA)による各毒素の検出とPCRによりentero toxinA〜D,TSST‐1遺伝子及びmecA遺伝子の検索を行った。その結果entero toxinA,B,DについてはPCRとRPLAの結果が100%一致した。TSST‐1については不一致例がPCR陰性でRPLA陽性の2株のみ見られたが、RPLAの疑陽性と考えられた。enterotoxinCにおいてはPCRで陽性であった55株中、RPLAではわずか2株のみが検出できただけで、従来のRPLA法で黄ブ菌人キシン型分類が困難な株においてもPCRにより毒素型分類が容易に可能であった。検討した74株中MRSA腸炎起炎株は24株で、このうち22株がTSST‐1,enterotoxinA、C遺伝子型で2株がTSST‐1,enterotoxinC遺伝子型であった。これら2種の型のうち前者はRPLAではTSST‐1,enterotxinA型と判定される株が多く見られたがPCRにより正確な型分類が可能となった。mecA遺伝子検索については検索した黄ブ菌50株(分離時MRSA46株)中32株が陽性であった。分離時MRSAで今回mecA陰性のもののDMPPCのMICは全て1.56μg/mlとなっており、保存中に菌の耐性が消失したものと考えられた。TSST‐1の毒素作用についての検討は、in vivo実験を先に行った。LPSまたはTSST‐1を静注投与した家兎計14羽にて、投与前および毒素投与後1時間毎の血中IL‐1活性をC3H/HeJマウス胸腺細胞を用いたBioassayにて測定したが、結果が一定せず、この測定系では血中IL‐1活性の測定は不能と思われた。血中TNF活性の測定については現在検索中である。
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