1993 Fiscal Year Annual Research Report
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌産生毒素の迅速な同定とその作用に関する総合的研究
Project/Area Number |
04670733
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
横山 隆 広島大学, 医学部・附属病院, 教授 (60034104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桧山 英三 広島大学, 医学部・附属病院, 助手 (00218744)
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Keywords | mec A / TSST-1 / PCR / TNFα / MRSA / 迅速診断 / DNA / enterotoxin |
Research Abstract |
1.臨床分離材料からのMRSAの迅速な同定 MRSA耐性遺伝子であるmec Aはcoagulase negative staphylococciにもこれを有するものがあり、当科の最近の臨床分離MRSAはTSST-1,enterotoxinA,Cを産生するものがほとんどであるため、臨床分離材料より直接DNAを採取しこのmec A遺伝子とTSST-1遺伝子(tst)についてPCRを行いその臨床応用の可能性、感度などについて検討した。PCR用のprimerは昨年度enterotoxin型別の検索の際に作製したものを用い、菌液ないし臨床分離検体(喀痰.胃液)をアクロモペプチダーゼで消化後アルカリにてDNAを抽出した。DNA抽出液の原液と100倍希釈液をテンプレートとし、これをPCRにて45cycle増幅し泳動後特異的バンドを検索した。その結果TSST-1,enterotoxinA,C産生臨床分離MRSAの培養菌液を用いた検討ではmec AのPCRでの検出感度は約1200CFUでtstは約120CFUであった。喀痰の検討ではmec Aの検出感度は約800CFUでtstは約800CFUであった。胃液ではmec Aの検出感度は約1900CFUでtstは約190CFUであった。臨床分離検体ではDNA抽出液の原液をテンプレートとした場合はPCRがかかりにくくDNA抽出液の100倍希釈液をテンプレートとした場合に良好な結果が得られた。 2.TSST-1毒素のサイトカイン産生に関する検討 TSST-1,エンドトキシンを各々人血液より分離した単球(Mo),Mo+Tcell,Mo+IL-2,Mo+INFγ,単核球,Tcellの培養系に加え,各々のTNFα産生をElisa kitにて測定したが,明かな差を証明することはできなかった。
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