1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04670734
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
武市 宣雄 広島大学, 医学部・附属病院, 講師 (20034655)
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Keywords | チエルノブイリ原発事故 / 小児甲状腺癌 / 未分化癌 / 癌遺伝子(RET) / 核DNAパターン / 頸部局所動注化学療法 |
Research Abstract |
1.チエルノブイリ原発事故後の小児甲状腺癌発生:(1)1990年以後の小児甲状腺癌発生の増加は著しいが、病理組織的に、低分化型病巣の混在が目だつ(72.2%)。(2)未分化癌はキエフの男性1990年、19才で死亡の1例が20才以下の者にみつかったが、小児にはみつからなかった。(3)現地から持ち帰ったパラフイン包埋組織標本を用いて、RET癌遺伝子を調べた所、7例中の4例で活性化が認められた。(4)同様に癌抑制遺伝子を調べたところp53は12例中の1例でヘテロ接合性の消失がみられ、これは低分化癌病巣部で観察された。 2.広島大学に保存されている平均70才に近い甲状腺癌のパラフイン包埋標本を用いて核DNAパターンを調べたところ、未分化癌の6例中4例、66.6%にaneuploidyが認められた。 3.ひき続き実施中の頸部局所動注化学療法(これまで7例)では、はっきりした延命効果は、これまでのところみられていない。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 武市宣雄: "チエルノブイリ原発事故と小児甲状腺癌.広島の原爆被爆者例と比べて" 広島医学. 47. 539-544 (1994)
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[Publications] 武市宣雄: "広島の胎内被爆者にみられた甲状腺癌の経験.チエルノブイリ原発事故の胎内被爆症例も含めて" 広島医学. 47. 545-548 (1994)
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[Publications] 武市宣雄: "放射線被爆と甲状腺" 日本内分泌学会雑誌(第67回日本内分泌学会秋期学術大会,会長指定講演). 70. 623- (1994)
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[Publications] Takashi.Ito: "Activated RET oncogene in thyroid cancers of children from areas contaminated by Chernobyl accident" THE LANCET. 344. 259- (1994)
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[Publications] Nobuo Takeichi(Ed.by S.Nagataki): "Current results and futuro studies in 1994:Chernobyl-related thyroid cancer in children.in Nagasaki Symposium on Chernobyl:Update and future." Elsevier Science B.V., 272(183-190) (1994)