1992 Fiscal Year Annual Research Report
重症感染に起因する多臓器不全に対する肝補助装置の開発ー細網内皮系機能補助の付加による肝補助効果の増強ー
Project/Area Number |
04670772
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
山本 正之 山梨医科大学, 医学部, 講師 (30158307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 慎吾 山梨医科大学, 医学部, 助手 (30221089)
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Keywords | 重症感染 / 肝補助 / 細網内皮系細胞 / カドリニウム・クロライド / PGI_2 / 肝阻血 / 大量肝切除 |
Research Abstract |
重症感染時の生存の鍵を握る臓器として、細網内皮系機能中枢としての肝臓に着目し、肝不全への移行のメカニズムの解析と同結果の臨床応用を研究した。肝臓マクロファージ、Kupffer細胞の選択的阻害剤であるガドリニウムクロライド(GdCl_3)の前投与により、到死量エンドトキシン投与ラットは死亡しなかったという実験モデルにおいてTNF、IL-1など従来より感染重症化の過程にpriming factorとして考えられたサイトカインの血中値はGdCl_3の投与の差には関係ないことが示された。また、GdCl_3の投与により、肝不全から死に至る過程を逆行させることが可能であるかどうかを、肝阻血あるいは、大量肝切除(70%、90%)後に非死到量エンドトキシンの末梢血内、及び門脈内投与を行ない、死亡へのメカニズム解明を努めた。上記サイトカイン値の絶対的関与がないことはこれら実験でも同様に示され、GdCl_3により死亡率改善が認められた。ただし、大量肝切除でも90%切除モデルでは24時間後全例死亡しており、Kupffer細胞のoveractivationをおさえることとは別にhepatocyte自体の可逆性、量的限界が予後に関与していると考えられ、従来よりのhepatocyte補助を直接目的にしたliver supportの重要性はかわらない。 GdCl_3の作用機序の解明についてはin vitro、in vivo実験より、superoxide産生抑制に働くことが示され、in vivoにおいてはkupffer細胞機能は約12時間後頃に戻り可逆性があることが示された。 GdCl_3とは別に、PGI誘導体による肝阻血犬のviability改善効果を認めており、liver support systemにおける投与方法を解析している。
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[Publications] 飯室 勇二,山本 正之,井上 慎吾,板倉 淳 他: "肝マクロファージ貧食能抑制物質、GdCl_3投与によるラットエンドトキシンショックモデルにおける生存率の改善" 消化器と免疫. 26. 186-191 (1992)
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[Publications] Iimur Y.Yamamito M et al: "Superoxide Production by Liver Macrophages in a Septic Rat model-Retation to Arterial Ketone Body Ratiu" European Surgical Research. 24. 363-371 (1992)