1992 Fiscal Year Annual Research Report
小腸移植における冷保存腸管のviability判定法に関する研究
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04670785
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田口 智章 九州大学, 医学部, 助手 (20197247)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水田 祥代 九州大学, 医学部, 教授 (30038856)
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Keywords | 小腸移植 / 冷保存 / UW液 / エネルギー代謝 / ATP / レーザードップラー組織血流計 / 虚血再潅流傷害 |
Research Abstract |
Lewisラットを用いてドナーから空腸グラフトを採取。UW液に単純浸漬冷保存を行い、保存時間を6時間、12時間、24時間、48時間の4群を設定し、syngeneicに移植した。レシピエントの移植手技はマイクロサージェリーにて動脈を大動脈に静脈を大静脈に端側吻合しsystemic drainageとした。 グラフトのviabilityのパラメーターとしてアデニンヌクレオタイドをHPLC法により測定し、エネルギー代謝を調べた。また同時に病理組織を採取した。サンプル採取時期は、グラフト採取時をコントロールとし、冷保存終了時、再潅流直前、再潅流後30分に行った。さらに再潅流時から30分間グラフトの組織血流の状態をレーザードップラー血流計にて測定した。 まず、レシピエントの生存率は24時間保存までは良好であったが、48時間保存群では不良であった。病理組織では冷保存終了時に比していずれの群でも再潅流後30分では組織傷害のgradeが進んでおり、移植操作中の温阻血と再潅流傷害の影響をかなりうけていることが判明した。また再潅流後30分の病理像を各群間で比較すると48時間群ではcryptまで傷害がすすんでおり、非可逆性の粘膜傷害をきたしていると考えられた。それに比して24時間群ではcryptは保たれており粘膜が再生していく可能性が示唆された。次にエネルギー代謝では組織中のATPの量は冷保存時間がすすむにつれ低下し、48時間冷保存ではコントロールの約10%に低下し、他の群に比して有意に低かった。また再潅流後30分のATPの回復は48時間群で不良で約10%までしか回復しなかった。それに比して12時間群、24時間群では約30%回復していた。再潅流後の組織血流でも48時間群は他の群に比して有意に低値をとっており、グラフトの循環不全が示唆された。 以上の結果より冷保存グラフトの移植直後のviability判定法として組織のエネルギー代謝の測定、ならびにレーザードップラー血流計による組織血流の測定は有用であると考えられた。次年度は移植前にviabilityを判定する方法として神経筋の機能測定法について検討する予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] T.Taguchi,Y.Hirata,R.Hirose,T.Yamada,S.Suita: "Short Segmental Intestinal Transplantation in Rats-Functional Comparison of Jejunal and Ileal grafts" Transplantation Proceedings. 24. 1079-80 (1992)
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[Publications] R.Hirose,T.Taguchi,Y.Hirata,T.Yamada,S.Suita,O.Nada: "Patterns of Enteric Nervous Distribution After Small Bowel Transplantation" Transplantation Proceedings. 24. 1108-9 (1992)
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[Publications] T.Taguchi,E.Zorychta,FM.Guttman: "Evaluation of UWsolution for Preservation of Small Intestinal Transplants in the Rat" Transplantation. 53. 1202-5 (1992)
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[Publications] 田口 智章,山田 耕治,平田 祐造,廣瀬 龍一郎,水田 祥代,豊原 敏光: "マイクロサージェリーを用いたラット小腸移植におけるグラフト採取法に関する検討" 日本小児外科学会雑誌. 28. 1314-20 (1992)
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[Publications] 田口 智章,水田 祥代: "小腸移植における移植小腸の採取部位と長さ" 医学のあゆみ. 163. 826-8 (1992)