1993 Fiscal Year Annual Research Report
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04670789
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| Research Institution | Nagasaki University |
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Principal Investigator |
浦 一秀 長崎大学, 医学部, 講師 (10185077)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小関 一幸 長崎大学, 医学部, 助手 (80253665)
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| Keywords | 消化管運動 / 神経節切除 |
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| Research Abstract |
膵癌等消化器癌手術時のリンパ節郭清に伴う下痢に対する病態解明および治療薬の効果の検討を目的とした。慢性的にstrain gaugeforce transducerを縫着した雑種成犬に、腹腔動脈神経叢、上腸間膜動脈神経叢切除を行い、術前後の腸管運動を比較検討した。また硫酸アトロピン(At)、臭化ヘキサメトニウム(C6)、臭化プロバンテリン(Pr)の効果も検討した。神経叢切除後は小腸空腹期運動のうちphaseIが短縮し、phaseIIが延長、伝播時間が短縮する。そこで、各種薬剤のphaseII抑制時間に注目し、薬剤の効果を検討した。At0.1mg/kg投与後のphaseII抑制時間はコントロール61.9±21.4分、神経叢切除後47.5±15.5分と抑制効果は少なかった。なお、抑制効果は小腸の部位によって差があり、小腸後半部(回腸)では69.9±11.6分から38.4±0.9分と有意に抑制時間が短縮したが(p<0.05)、前半部(空腸)では有意差を認めなかった。
C610mg/Kgはコントロール69.9±16.3分、神経叢切除後40.5±10.4分と有意に抑制時間が短縮していた(p<0.05)。特に小腸の後半部は61.8±10.2分から27.9±4.8分と有意に抑制時間が短縮していたが(p<0.05)、小腸前半部では差を認めなかった。
Pr1mg/Kgはコントロール86.3±17.0分、神経叢切除後103.4±9.8分と小腸全体でコントロールと同等のphaseII抑制効果が認められた。よって、At、C6は神経叢切除後、特に小腸後半部に対するphaseII抑制効果が弱いが、持続型抗コリン剤であるPrは神経叢切除後もphaseII抑制効果が十分に認められ、神経叢切除後の下痢に対し有効である可能性が示唆された。現在は同様に下痢を起こす下腸間膜動脈周囲神経叢切除術の大腸運動に及ぼす影響について併せて検討中である。
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