1992 Fiscal Year Annual Research Report
ラット肝実質細胞より得られた増殖関連遺伝子hep-1の構造及び発現調節機構の解析
Project/Area Number |
04670797
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
大竹 英樹 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (00049214)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 和人 獨協医科大学, 医学部, 助手 (80146167)
長谷川 薫 獨協医科大学, 医学部, 講師 (40049250)
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Keywords | 増殖関連遺伝子 / 遺伝子クローニング / ディファレンシャルハイブリダイゼーション / 遺伝子上流域の構造解析 / ラット再生肝 / 初代培養肝実質細胞 |
Research Abstract |
初代培養ラット肝実質細胞の増殖誘起にともなって発現する増殖関連遺伝子hep-1が肝臓以外に正常ラットのどのような臓器で発現しているかを検討した。hep-1遺伝子(mRNAは、約3kb)は、成獣では胎盤に強く発現し、肺、心臓、骨格筋にも少し発現していた。肝臓、腎臓、脳には発現が殆ど見られなかった。新生児でも臓器ごとの発現のパターンは成獣と同じであったが、とくに肺に強く発現していた。hep-1遺伝子は細胞の増殖に関連して、そしてまた臓器特異的に発現しているが、その遺伝子産物の機能については現在のところ全く分かっていない。その機能を解析する一助として、ラットの遺伝子に相同なヒト遺伝子のクローニングを試みた。ラットの場合、hep-1遺伝子は胎盤に強く発現していることが分かったので、ヒト胎盤から調製したmRNAを用いてcDNAライブラリーを作製した。ラットでクローニングされた遺伝子のcDNA断片(1.6kb)をプローブとして、ライブラリーをスクリーニングしたところ、およそ1万個のクローンのうちhep-1遺伝子の断片とハイブリダイズするインサートを持ったクローンを5個拾うことが出来た。現在、それぞれのクローンを大量に増やしてそれらインサートの大きさを調べ、完全長のcDNAをインサートとして持つクローンが存在するか検討している。 1993年度の実験計画。1)mRNAの合成開始点をふくむ完全長のcDNAをクローニングし、その基配列を決定する。2)完全長のcDNAが得られれば、その合成開始点上流にメタロチオネインのプロモーターをつけたベクターを作製する。3)ベクターをヒト初代培養肝実質細胞および肝癌細胞Hep-3Bに導入してheP-1遺伝子を過剰発現させたときに細胞増殖にどのような影響を及ぼすか検討する。4)遺伝子のアンチセンスDNAを細胞に導入し、その影響を検討する。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Morisawa,M.,Tanimoto,S.and Ohtake,H.: "Characterization and partial purification of sperm activating substance from eggs of the herring,Clupea palasii" J.Experimental Zoology. 264. 225-230 (1992)
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[Publications] エドリン著 清水 信義 監訳(大竹 英樹 他訳): "ヒトの遺伝学" 東京化学同人, 511 (1992)
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[Publications] 古庄 敏行,外村 晶,清水 信義,北川 照男 編集: "臨床遺伝学III ノーザンブロットハイブリダイゼーション" 診断と治療社, (1993)