1994 Fiscal Year Annual Research Report
大腸運動機能の生理学的意義と便通異常疾患の原因究明
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04670807
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
古川 良幸 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (80209171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 貞信 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (60231114)
大平 洋一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (10213852)
羽生 信義 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (30189592)
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Keywords | 慢性便秘症 / 大腸内圧検査 / 直腸肛門内圧検査 / バリウム粒子排出試験 |
Research Abstract |
ヒト大腸運動を内圧法(perfusion system)で観察した結果、ヒト大腸には3Side hole以上 内圧波が伝播する蠕動運動と隣合ったSide hole間に何ら関係のない非蠕動運動に2大別された。蠕動運動は近位結腸に有意に認められその伝播距離は、順蠕動の場合は脾弯曲部であり逆蠕動は肝弯曲から発することが証明された。逆に非蠕動運動は有意に遠位結腸に認められた。ヒト大腸運動は遠位と近位結腸とで本質的に収縮様式は異なり、この収縮運動のコーディネーションが障害されると便秘,下痢という症状をもたらすものと考えられた。次いで、外科治療を要した難治性慢性便秘症8例を対象として、大腸内圧検査、直腸肛門内圧およびPa粒子排出能検査(Sitzmark)を行なった結果、便秘症は、大腸輸送能の低下に伴うSlow transit constipationと排便障害に基づくpelvic outlet obstructionに2大別された。それぞれに、大腸亜全摘術および肛門形成術が試行され、術後経過は良好で患者の満足も得られている。 大腸内圧検査をこれら症例に行なうことで、外科治療の選択が可能となった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 橋本慶博,古川良幸,羽生信義: "手術を試みた重篤な慢性便秘症の1例" Therapeutic Research. 15. (1994)
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[Publications] 志賀由章、古川良幸,羽生信義: "大建中湯の消化管運動に及ぼす影響" 日本平滑筋学会雑誌. 29. 373-376 (1993)
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[Publications] 古川良幸,羽生信義,青木照明: "大腸内容がColonic Meal Responseに及ぼす影響" Therapeutic Research. 14. 164-175 (1993)
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[Publications] 古川良幸,羽生信義,青木照明: "ヒト大腸の運動生理学的意義" Therapeutic Research. 13. 148-153 (1992)
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[Publications] 向井英晴,古川良幸,羽生信義: "消化管運動障害の新しい知見" 東京企画通信,三輪剛,青木照明,関口利和, 272-280 (1994)
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[Publications] 古川良幸,羽生信義,青木照明: "消化器心身症のトピックス(3)" 臨床医薬研究協会, 301-303 (1994)