1992 Fiscal Year Annual Research Report
非吸収性放射性物質による膵がん局所注入療法の実験的研究
Project/Area Number |
04670814
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Research Institution | University of Shizuoka,Shizuoka College |
Principal Investigator |
原田 昇 静岡県立大学短期大学部, 看護学科, 教授 (50039872)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高林 ふみ代 静岡県立大学, 短期大学部・看護学科, 助手 (80167486)
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Keywords | 膵がん / 非吸収性放射性物質 / 局所注入療法 / 放射線治療 |
Research Abstract |
平成4年度は、非吸収性物質として、放射性物質内封マイクロカプセル(以後、MCと省略する)の作製を目的とした。 当初、MC基剤としてエチルセルロースを使用し、乳化法によるMC作製を試みた。しかし、製法的に粒度にばらつきが生じロスが多い、操作中使用する有機溶媒に発癌性が指摘されている、さらに、試作したMCを摘出膵潅流標本を用いラット正常膵に経動脈的に注入し、組織像を顕鏡したところ、MCの破壊と内封物質の逸脱が観察されたことより、MC基剤を含めた製法そのものの再検討が必要となった。 そこで、基剤としてアルギン酸ナトリウム、内封物質には^<32>Pを想定し、アルギン酸カルシウムの網目構造にリン酸カルシウムを補足する構造を持つMCをオリフィス法により作製するよう改めた。オリフィス法によるMC作製の利点は、粒度が安定しており、乳化法で必要であった粒度による分級の必要がなく、少量の作製も可能であることなど、放射性物質を内封するMCの作製には有利である。しかし、この方法で作製したMCは、混入した不純物を洗浄する過程で膨潤がおこり、内封物質の流出が懸念された。この点を改良するために、MCに焼成を加えリン酸カルシウムの微小球体を得た。本品は体液と同等のpH緩衝液中における安定性も高く、膨潤の心配もない。 今後、組織内での安定性、組織への刺激性を検討すると同時に、アイソトープ化を図り、有効線量確保のための必要投与量の決定を目指したい。
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