1994 Fiscal Year Annual Research Report
非吸収性放射性物質による膵がん局所注入療法の実験的研究
Project/Area Number |
04670814
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Research Institution | University of Shizuoka,Shizuoka College |
Principal Investigator |
原田 昇 静岡県立大学短期大学部, 教授 (50039872)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高林 ふみ代 静岡県立大学短期大学部, 助手 (80167486)
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Keywords | 実験膵癌 / 放射線治療 / マイクロカプセル / ^<32>P |
Research Abstract |
本年度は、以下の2点を研究の目的に設定した。 (1)^<32>P内封マイクロカプセルを完成させるため、結晶(リン酸カルシウム)の焼成によるハイドロアパタイト化をはかり、^<32>Pの漏出を極力抑制するマイクロカプセル作成条件を決定する。(2)^<32>P内封カプセルを正常体内及び、腫瘍組織内に投与し、安定性、腫瘍組織破壊能を検討する。 以下に、これまでの研究結果を述べる。 1.(1)について、 焼成条件に関する検討は、まず非放射性物質でなされた。 (1)方法:硝酸カルシウム水溶液中に、リン酸1水素2アンモニウム添加アルギン酸ナトリウム水溶液を、33G針先から滴下するオリフィス法による。 (2)オリフィス法条件:硝酸カルシウム水溶液濃度は0.4M、トリエタノールアミンでpH9.0に調整する。アルギン酸ナトリウム水溶液は1.5%とし、添加されるリン酸1水素2アンモニウムは0.2Mとする。 (3)焼成条件:上記オリフィス法で作成されたリン酸カルシウムとアルギン酸カルシウムの混合小粒をアルコール脱水の後、50℃で真空乾燥する。その後、1250℃で1時間焼成し、小粒からの有機性物質の除去と、リン酸カルシウムのハイドロアパタイト化を同時にはかる。 これらの条件にて得られた小粒は、φ≒500μm、モリブデンブルー法および原子吸光法による、浸漬37℃生理食塩液中のリン及びカルシウムはいずれも検出限界前後であり,リン酸カルシウムのハイドロアパタイト化は完成されたと考えられた。 2.(2)について、 現在1.で述べた条件に従い^<32>P内封マイクロカプセルを作成し、ラット腹腔内投与実験により^<32>P漏出について検討している段階である。
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[Publications] 原田 昇・高林ふみ代: "放射性物質封入マイクロフェアによる膵癌局所療法の開発(第一報)-放射性物質封入マイクロスフェアの試作" 静岡県立大学短期大学部研究紀要. 7. 119-131 (1994)
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[Publications] 高林ふみ代・原田 昇: "放射性物質封入マイクロフェアによる膵癌局所療法の開発(第二報)-in vitro及びin vivoにおける^<32>P固定の安定性の検討" 静岡県立大学短期大学部研究紀要. 8. 121-126 (1995)