1992 Fiscal Year Annual Research Report
ヌクレオシド輸送阻害による心虚血再潅流障害抑制に関する検討
Project/Area Number |
04670832
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
益田 宗孝 九州大学, 医学部, 助手 (10190365)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 博之 九州大学, 医学部, 助手 (80178227)
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Keywords | Nucleoside Transport inhibitor / ATP / アデノシン / 心筋保護 |
Research Abstract |
Nucleoside transport inhibitor(NTI)による心筋保護のBack-up効果に関する検討 1.ラットの摘出潅流心を用いKrebs-Henseleit SolutionによるLangendorff潅流を行った。心摘出後、37℃にて30分間の好気的潅流を行い心筋保護液による心停止を得た。90分の全虚血の後、心筋を凍結乾燥しnucleotide及びnucleosideを測定した。さらに、90分の虚血の後に再潅流し40分後の心機能を測定し回復率を求めた。虚血中の温度を10℃に設定した群と25℃に設定した群に分け、更に心筋保護液中のNTIの有無で群を分けた。 2.虚血中の心筋温を低温(10℃)に保った場合には虚血終了時の心筋中のATP濃度は高値を保っており再潅流後の心機能回復も良好であった。虚血中の心筋温を25℃を保った場合にはNTIの有無に関わらず再潅流直前のATP濃度は10℃群と比較し約半分に減少していた。しかし、25℃であってもNTIを心筋保護液に投与した場合には心筋内のアデノシン濃度は投与しなかった場合に比べ約8倍の濃度を保っており、再潅流後の心機能は10℃に保った群と同程度の回復率を認めた。 3.虚血中に低温を保てない場合にはATPは崩壊し再潅流後の心機能は低下した。心筋保護液中のNTIは、ATPは崩壊した場合に心筋内のアデノシンを保持し再潅流後の心機能を改善した。内因性アデノシンを介したNTIによる心筋保護のBack-up効果が示唆された。
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