1992 Fiscal Year Annual Research Report
自己骨格筋を駆動源としたハイブリッド型補助循環装置の開発
Project/Area Number |
04670833
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
近藤 治郎 横浜市立大学, 医学部第一外科, 助教授 (00046038)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 昭彦 横浜市立大学, 医学部第一外科, 教授 (20045975)
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Keywords | cardiomyoplasty / 骨格筋 / 筋収縮 / 補助循環 |
Research Abstract |
骨格筋による心機能補助(cardiomyoplasty)は世界ですでに約140例の臨床応用例が報告されている。いずれも左広背筋を心臓周囲に直接巻き付けて収縮させ心機能補助を行う方法(wrapping type dynamic cardiomyoplasty)であり、多くの報告例で心拍出量の増加と臨床症状の改善を認めており、薬物抵抗性の重症心不全に対する新しい治療法として期待されている。しかしこの方法は拡張型心不全など限られた症例以外には有効性が低く、より多くの症例に対応できる方法としてハイブリッド型骨格筋ポンプの開発が切望されている。 ハイブリッド型骨格筋ポンプの設計において最も重要なことは、骨格筋の持つ能力をどれだけ効率的に利用出来るかにある。そのためには骨格筋の発生し得る出力特性を正確に把握することが必要である。すでに骨格筋の収縮能力に関する報告はされているが、臨床利用に当たって不可欠と考えられる2つの操作すなわち(1)副側血行遮断後の血行ネットワーク形成期間(vascular delay)、(2)筋線維の形質転換を目的とした低頻度電気刺激(preconditioning)、が骨格筋の出力特性に与える影響についてはデータに乏しい。そこで我々は骨格筋ポンプを設計するための前段階として、犬広背筋の発生し得る張力を測定し、vascular delay及びpreconditioningの影響を検討することを優先して行った。その結果、(1)未処理の骨格筋は心機能補助を行うために十分な発生出力を有しているがすぐに疲労してしまう、(2)vascular delayは発生張力に影響しないが、耐疲労性を多少向上させる、(3)preconditioningは発生張力をやや低下させるが心機能補助には十分な出力を持っており、耐疲労性は著明に向上させる、の3点が明らかとなった。今後は、骨格筋の出力を無駄なく利用するデザインの開発、補助能力の評価、及び安全性を検討していく予定である。
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