1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04670870
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Research Institution | Wakayama Medical College |
Principal Investigator |
板倉 徹 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (40100995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
船橋 利理 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (20142391)
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Keywords | パーキンソン病 / 神経移植 / 交感神経節 / 神経成長因子 / サイトカイン |
Research Abstract |
本研究グループは平成4年度から5年度にかけてパーキンソン病に対する頚部交感神経節の脳内移植に関する基礎的臨床的研究を行った。当核年度はその最終年度に当る。基礎的研究では平成4年度の組織培養による交感神経節の成育・移植をさらに進めた。つまり移植による生着率をいかに高めるか。そのために移植前ドナー組織を我々の手で人工的に操作させ強化せしめて移植の効果を高めることを目的とした。交感神経節は神経成長因子(NGF)により、その生存・成長がコントロールされている。一方、サイトカインの一種であるInterleukin-1は線維芽細胞に作成して、そのNGF合成能を約14倍高めるといわれている。そこで交感神経節にInterleukin-1を反応させ、線維の伸長が促進されるか。又、その後脳内に、このInterleukin-1で反応させた神経節細胞を移植し、生着率が高まるかどうかを検討した。新生ラット交感神経節をexplantとして培養し,Interleukin-1betaを作用させると、10時間後に、神経節内NGF量は約7倍に増加した。さらに20後には神経節細胞から著明な突起の伸展が観察された。次にInterleukin-1で前処置した神経節を脳内移植すると無処置のものに比し 生存細胞は多く、その体積も大きかった。以上の結果は移植前に神経節を培養操作することにより生着度が高まることを示し、臨床応用に際し有用な手段になることが示された。一方、本移植法の臨床応用もさらに進め、現在まで35例にのぼる。約6割の症例では効果が見られており、今後本実験を臨床に応用すれば、さらに成績は向上するものと期待される。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Toru Itakura: "Autologous Transplantation of the Cervical Sympathetic Ganglion into the Parkinsonian Brain, A case report" Neurosurg. (in press).
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[Publications] Toru Itakura: "Transplantation of autologous cervical sympathetic ganglion into the brain with Parkinson's disease 〓〓 experimental and clinical Studies." Cell Transplantation. (in press).
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[Publications] 板倉徹: "頚部交感神経節の脳内移植" 脳外. 22. 199-205 (1994)
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[Publications] Toru Itakura: "Transplantation of autologous sympathetic ganglion into the brain with parkinson's disease 〓〓 Clinical trial" J Neural Transplant Plasticity. 3. 324-325 (1993)
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[Publications] Toru Itakura: "Transplantation of long-term cultured Sympathetic neurons into the brains with parkinsonian rats" J Neural Transplant Plasticity. 3. 213-214 (1993)
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[Publications] Toru Itakura: "Suppression of seizure development after intracerebral gutotransplantation of the superior cervical ganglion in a rapid kindling model of rats." J Neural Transplant Plasticity. 3. 303-304 (1993)
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[Publications] 板倉徹: "脳幹・神経科学の基礎と臨床" ブレーン出版, 155 (1993)