1993 Fiscal Year Annual Research Report
二分脊椎に合併する水頭症の成因-脊髄披裂マウスを用いた実験的研究
Project/Area Number |
04670875
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
中原 成浩 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (80147339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宿谷 郁男 東京慈恵会医科大学, 医学部・脳神経外科, 助手 (90226291)
田中 英明 東京慈恵会医科大学, 医学部・脳神経外科, 助手 (70227164)
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Keywords | Chari II malformation / Luschka / Magendie / myeloschisis / subarachnoid space / spina bifida |
Research Abstract |
脊髄披裂をともなう胎仔の妊娠中期ならびに後期の冠状断ならびに矢状断脳切片の電子顕微鏡学的検討では、妊娠12日目でクモ膜下腔は正常例で認められる層構造は呈していたものの、洞構造は認められなかった。さらに妊娠後期(妊娠18日)では脊髄披裂例においては、正常例におけるクモ膜の網目構造は存在せず、瘢痕組織様構造を呈しておりクモ膜ならびにクモ膜下腔系の形態異常は明らかであった。しかし、第四脳室出口孔(Luschka孔ならびにMagendie孔)の電子顕微鏡学的所見では正常例、脊髄披裂例の間で明らかなる差異は認められなかった。次いで脊髄披裂生後生存例の作成では、披裂例におけるChiari II奇形の存在による脳幹機能低下によると推測される出生後の呼吸障害のため、依然として長期生後生存例は確認されていない。そこで現在はChiari II奇形による延髄の形態異常にともなう呼吸障害が、Chiari II奇形自体による延髄の機能異常による一次的な呼吸障害であるかどうかを、摘出脳幹の還流実験より電気生理学的に検討することを考慮中である。もし下垂した小脳扁桃による単純な延髄の圧迫による二次的な呼吸障害であるとすれば、出生直後に後頭蓋窩を開放することで呼吸障害を回避できる可能性があり、長期生後生存例も考えれるため現在検討中である。
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