1994 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄披裂マウスを用いた二分脊椎の水頭症成因についての研究
Project/Area Number |
04670875
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Research Institution | Jikei University of Medicine |
Principal Investigator |
中原 成浩 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (80147339)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宿谷 郁男 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (90226291)
田中 英明 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (70227164)
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Keywords | Chiari II malformation / delayed Splotch mouse / hydrocephalus / myeloschisis / spina bifida |
Research Abstract |
脊髄披裂を伴う胎仔の長期生存例のモデルは以下の事由により達成されなかった。まず、正常例の胎仔では出生前に取り出されても他の母親により何ら問題なく生存することは、すでに確立されている。しかし、披裂胎仔では胎生末期までの生存は確認されているが、胎生末期には進行したChiari II奇形が存在し、延髄の機能異常による呼吸障害のため出生後生存し得ないと考えられた。さらには、出生直後に後頭蓋窩を開放することを試みたが、未だ未成熟な胎仔のためその侵襲により生存し得なかった。そこでTNF(Tumor Necrosis Factor),FGF(Fibroblast Growth Factor)を用いて、脊髄披裂マウスがChiari II奇形を発現する前の妊娠日数12日の胎仔の脊髄中心管に全麻下で妊娠子宮より投与し、脊髄中心管の閉塞された胎仔のモデルを作成し、Chiari II奇形の発生を予防できるかを検討した。結果は、いずれのモデルも母体の生存にもかかわらず胎内死亡に至ってしまった。以上より、脊髄披裂に合併する水頭症の成因に関し、長期生存例の脳の形態学的検証ならびに、水頭症の発生には二分脊椎とこれに続発するChiari II奇形の関与が重要であるとする著者らの説を証明するには至らなかった。結局二分脊椎に伴う水頭症の成因は、胎生末期の脊髄披裂例のクモ膜の形成異常が関与している可能性があるという事実のみが検証できた。
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