1993 Fiscal Year Annual Research Report
脳腫瘍におけるFISH(fluorescent in situ hybridization)による染色体異常検出の開発
Project/Area Number |
04670877
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Research Institution | KANSAI MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
河本 圭司 関西医科大学, 医学部, 教授 (70077741)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂井 信幸 関西医科大学, 医学部, 助手 (30225768)
沼 義博 関西医科大学, 医学部, 助手 (40208278)
川上 勝弘 関西医科大学, 医学部, 講師 (40186060)
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Keywords | FISH / Brain Tumor / flow cytometry / Chromosome |
Research Abstract |
癌の染色体異常の検出は、従来より分裂中期の細胞を用いた分染法により判定されてきた。このため、固形癌における染色体異常の解明は不可能に近かった。 今回の研究は、新しいFISH法を用いて間期の細胞でも染色体異常の検出をすることが目的であり、以下のような新しい方法の開発と新しい所見が得られた。 1.脳腫瘍株化細胞における染色体7.9.10.17.番の固定 FISH法により、glioma株化細胞において、4種の染色体プローブを用いて、染色体の数を固定することに成功した。 2.脳腫瘍手術標本1つよりの染色体異常の検出 1)gliomaについて:7番.17番染色体で高値を示し、9番.10番染色体では低値を示した。悪性度により、17番染色体が高値を示す傾向がみられた。 2)その他の脳腫瘍について:髄膜腫ではgliomaと異なり、22番染色体が低下、再発例は17番が増加している。 3.パラフィン ブロックよりの染色体の異常検出 新鮮標本とパラフィン ブロックよりの染色体異常が同様に検出することが可能になった。 今後、共焦点レーザー顕微鏡を用いて、染色体数の判定の信頼性を向上させ、また、染色体異常部位の質的診断向上が期待され、更に、研究を推進する予定にしている。
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