1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04670879
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
小林 秀 (財)東京都老人総合研究所, 生理老化学研究系・神経生理部門, 研究員 (30161988)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加治 和彦 東京都老人総合研究所, 老人科学技術研究系・アイソトープ部門, 主査研究員 (40073019)
|
Keywords | 神経膠腫 / 細胞成長因子 / 内皮細胞 / 細胞培養 |
Research Abstract |
神経膠腫の増殖調節機構を明らかにする目的で、各種樹立細胞株を用いて細胞生物学的研究を行ってきた。血清も外因性細胞成長因子も必要とせず、長期縫代可能な、ヒト神経膠腫由来SK-MG-1細胞系を樹立した。SK-MG-1細胞は無添加のMCDB-104基礎培養液だけで、血清添加条件下とほぼ同速度で増殖し、現在200PDLを越えている。SK-MG-1細胞の順化培養液中には、各種成長因子が存在するものと考え同定を進めた。まず、既存因子としてTGFBが大量に存在するが、basicFGFやacidicFGFは存在しない。さらに、【.encircled1.】ヒト臍帯静脈血管内皮細胞の増殖促進因子(G-ECGF)、【.encircled2.】新しいPDGF(AA,large form)、【.encircled3.】SK-MG-1細胞自身の増殖を抑制する因子(G-GI,外来性TGFbetanはこの作用はない)、以上、3種の、未知のものと予想されている因子を検出した。 G-ECGFの糖製を目的として、順化培養液を大量に作成し限外濾過で濃縮後、ゲル濾過を行った。20〜60kDaの分画にG-ECGF活性を回収した。さらにHeparin Sepliaroseクロマトで分離し、陰イオンカラム、逆相クロマトで精製した。還元条件でSDS-PABEにより17kDaの単バッドを検出した。現在、このペプチドのアミノ酸残基配列を調査中である。G-ECGFの性質は、分泌型で、内皮細胞に作用し線維芽細胞には作用しない、ヘパリンに結合せず、bFGFやaFGFの抗体と交叉しない、新規の因子と判定した。 PDGFのA鎖とB鎖にそれぞれ特異的な抗体を用いて、SK-MG-1細胞の順化培養液から、PDGFA鎖抗体と交叉する因子を検出した。分子量は27-30kDaで、AA(large form)ホモダイマーと考えられる。このPDGF(AA,large form)およびG-GIの精製・分子構造決定を検索中である。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] 小林 秀: "抗リン酸化GFAP抗体による細胞膠腫の免疫組織学的研究" Neurologia medico-chirurgica(第52回総会抄録集). 70 (1993)
-
[Publications] 松岡 浩司: "ヒトグリオーマの増殖調節機構-無蛋白培養法による解析" Neurologia medico-chirurgica(第52回総会抄録集). 72 (1993)