1992 Fiscal Year Annual Research Report
椎間板圧迫時の粘弾性変形に伴う水分子の動態のMRIによる解析
Project/Area Number |
04670899
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
長谷 斉 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (00172883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植村 理 京都府立医科大学, 医学部, 大学院生
三上 靖夫 京都府立医科大学, 医学部, 研修員
日下 義章 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (40205068)
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Keywords | 椎間板 / 髄核 / 圧迫 / MRI / 水分子の動態 |
Research Abstract |
隣接椎体を含めた成牛尾椎椎間板を実験材料とした。椎間板の脊柱長軸方向に、独自に作製した圧迫試験器で、50Kgおよび150Kgの一定圧迫荷重を30分〜120分間加えた。荷重前、中および解除後に経時的に、MRI装置(Philips社製Gyroscan、1.5tesla)で撮像を行った。矢状面のSE(TR=1600、TE=30)画像で椎間板の高さを計測し、IR(TR=1750、TI=450)画像よりT1計算画像を得た。我々は既に髄核の水分含有率とT1値が、正の相関を示すことを明らかにしており、T1値を測定することで水分含有率を推定することが可能である。この実験より以下のような結果を得た。 荷重中は、椎間板高は圧迫開始直後より単調に減少し、その減少速度は50kg負荷に比して150kg負荷で速かった。髄核中央部T1値は圧迫開始直後に一過性に上昇し、50kg負荷では約30分、150kg負荷では約10分で最大になり、以後単調に短縮した。 圧迫解除後の可逆性は荷重量および時間により次の様な差が認められた。50kg負荷を30分間与えた後に解除すると、椎間板高および髄核中央部T1値は徐々にほぼ圧迫前の値まで回復した。50kg負荷を180分間あるいは150kg負荷を180分間与えた場合は、解徐後も、椎間板高および髄核中央部T1値は負荷前の値には回復せず変化は不可逆的であった。 この結果より以下のように考察される。圧迫初期では椎間板高が単調に減少する一方、水分子が髄核中央部に移動する。この時点で圧迫を解除すると椎間板高、髄核の水分含有率は圧迫前の状態に回復し、椎間板の機能が維持されている。更に圧迫を加えると髄核中央部から周囲組織へ水分子が失われる。この時点で圧迫を解除してもこれらの変化は不可逆的であり、椎間板の機能は低下していると考えられる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Y.Mikami: "MRI Analysis of Water Molecule Kinetics during and after Compsession of Intervertebral Discs." Transaction of the 39th Annual Meeting Orthopaedic Research Society.18(2). 416- (1993)
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[Publications] 三上 靖夫: "MRIを用いた椎間板圧迫時における水分子の動態解析" 中部日本整形外科災害外科学会雑誌. 35(6). 1711-1712 (1992)