1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04670903
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Research Institution | Grant in Aid for scientific Research |
Principal Investigator |
玉井 進 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (10075088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢島 弘嗣 奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (20221640)
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Keywords | CAT活性 / 血管柄付神経移植 / 同種神経移植 |
Research Abstract |
同種間移植での遊離神経移植と血管柄付神経移植において免疫抑制剤の使用、未使用群の間でその神経再生の違いを検索する。主要組織適合抗原の異なる成熟雄ACIラットをrecipientとし、成熟雄Lewisラットをdonorとする。前年度自家移植実験群と同様にACIラット(recipient)の坐骨神経を展開し15mmを採取。Lewisラット(donor)に10mmの欠損を作りそこに移植する。遊離神経移植モデル群と大腿動静脈をつけた血管柄付神経移植モデル群を作る。 免疫抑制剤としてFK506を使用し、投与群(A群)非投与群(B群)、さらにコントロール群として自家移植群(C群)を作成。A群においては投与量0.5mg,1mg,5mg/kg/dayの3群に分ける。2週、4週、8週、12週後に屠殺20mm末梢の坐骨神経を採取、それぞれのコリンアセチル基転移酵素活性(CAT活性)の測定、組織学的検索にて神経の再生状態を確認する。 その結果にてFK506の最適使用量を決定する。さらに最適投与期間を決定するために免疫抑制剤を2週間、4週間、12週間投与した群を作成し、16週後に屠殺後移植した部位より末梢の坐骨神経を採取し、CAT活性の測定および病理組織学的検索を行い神経の再生状態を検討する。この結果を前年度のデータと比較し、神経再生後に免疫抑制剤の投与を中止した後の神経の状態を検討する。 <結果> 同種移植において血管柄付に神経移植群と遊離神経移植群の神経再生をCAT活性値によって評価した。結果は免疫抑制剤を中止した後も軸索は保たれ良好な再生を維持することができた。シュワン細胞と髄鞘には投与中止後に一時的に拒絶反応が起きたが,致命的なものではなく回復傾向があった。免疫抑制剤の投与を短期間に限定した場合、血管柄付き神経移植の方が遊離神経移植より有利であった。薬剤の投与期間は全ての再生軸索が移植神経片を通過するまで続けることが適当であった。CAT活性値測定は簡便な方法であり神経再生の評価に有用であった。
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