1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04670909
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
高橋 文人 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (90154856)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮川 忠彦 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (60190740)
渡辺 一夫 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (80182905)
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Research Abstract |
[研究目的]阻血による組織傷害は1)無酸素傷害と2)血流再開後の再潅流傷害とに分けられるが,比較的中枢での切断肢(moijor amputation)を再接着する場合,阻血による切断肢内骨格筋の傷害程度を術前に知ることが出来れば,手術適応を決定し,成績を予測することが可能となる。組織は阻血状態におかれるとエネルギー代謝障害をおこすことに着目し,以下の実験を行なった。 [実験方法]無酸素傷害に関する実験:犬の両側,上腕を中央部で切断,その保存方法の違いにより18℃で保存した室温保存群と4℃で保存した冷却保存群の2群を作製し,切断肢の尺側手根屈筋から切断直後,切断後1,2,3,5,8,12時間の計7回にわたって検体を採取し,アデニンヌクレオチド代謝産物(inosine,hypoxantine,xanthine,尿酸)値を高速液体クロマトグラフィー法を用いて測定した。 [結果]inosine,hypoxanthine,xanthineおよび尿酸値は切断後経時的に増加し,室温保存群と冷却保存群との間には切断早期から有意差が認められ,室温保存群は冷却保存群より高値を示していた。 以上の結果より,inosine,hypoxanthine,xanthineおよび尿酸値は阻血により傷害を受けた骨格筋の代謝状態を極めて良く反映していことが判明した。
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