1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04670909
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
高橋 文人 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (90154856)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮川 忠彦 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (60190740)
渡辺 一夫 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (80182905)
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Keywords | 尿酸値 |
Research Abstract |
切断後のアデニンヌクレオチド代謝産物の経時的変化,および保存する温度による違いを検討した結果,inosine hypoxanthine,xanthineおよび尿酸値は切断後経時的に増加し,室温保存群と冷却保存群との間では切断後早期から有意差が認められ,室温保存群は冷却保存群より高値を示していた。従って,inosine hypoxanthine,xanthineおよび尿酸値は阻血により傷害を受けた骨格筋の代謝状態を極めてよく反映していることが判明した。 血流再開後の切断肢内骨格筋の阻血によるinosine hypoxanthine,xanthineおよび尿酸値の変化を検討したところ,阻血1時間群ではinosine hypoxanthine,xanthineおよび尿酸値は血流再開後,切断直後の値に戻るものの,阻血5時間群では切断直後の値に回復せず,また,阻血3時間群でもxanthine値は切断直後の値に戻らなかった。このことは,骨格筋は阻血1時間では一時的な組織傷害をきたすものの,血流を再開させると回復し,阻血3時間では不可逆的な組織変化が始まり,阻血5時間では完全な不可逆的変化が生じたことを示すものであり,これらの示標は阻血による骨格筋の傷害を知るのに有用であることが判明した。
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