1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04670911
|
Research Institution | OSAKA MEDICAL COLLEGE |
Principal Investigator |
森下 忍 大阪医科大学, 医学部, 講師 (90182229)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石津 恒彦 大阪医科大学, 医学部, 助手 (70222990)
阿部 宗昭 大阪医科大学, 医学部, 助教授 (70084994)
|
Keywords | 脚延長術 / 骨格筋 / 伸長 / 形態学的変化 |
Research Abstract |
平成4年度は体重2kgの家兎の脛骨を1日1mmの延長速度で2cm(20%)まで緩徐に延長して、延長終了5日後に伸長された前脛骨筋の形態学的変化をHE染色、NADH染色、アクリジンオレンジ(AO)染色により観察した。伸長された前脛骨筋は主に筋腱移行部で再生筋線維が増加することで同部で伸びていた。また筋線維タイプによる大きさの変化を観察すると過大なtonusの増加によりType1線維は肥大し、家兎が患肢を免荷するためType2線維は萎縮していた。変性、壊死筋線維は少数しか同定できなかった。このため平成5年度は脛骨を一期的に5mm,10mm,15mm延長し、伸長された前脛骨筋を同様に観察した。5mmの一期的延長では変性、壊死筋線維は観察されず、Type1線維が肥大していた。10mm以上の一期的延長では延長部より遠位に広範囲の筋壊死が生じたため、10%以上の一期的延長は筋に強い障害が加わることが示唆された。また平成4年度と同様に緩徐に2cmまで延長を行い、延長終了1カ月、2カ月時に筋の形態学的変化とタイプ別の直径の経時的変化を観察した。AO染色でType1線維の肥大を示す筋鞘直下で観察されたオレンジ色の蛍光(RNA)は1カ月時では延長終了初期より低下しており、2カ月時には消失していた。これは延長による過大なtonusが応力緩和により低下したためと考えられた。Type1線維の直径は1カ月時では延長終了初期よりやや低下していたが、2カ月時には延長終了初期より増加していた。延長終了初期で萎縮していたType2線維は経時的に直径の増加が見られた。この結果より緩徐延長術によりType1線維は過大なtonusの増加によりType1線維は肥大しType2線維は患肢の免荷により萎縮するがこれらの変化は可逆性の変化であり経時的に回復することが示された。
|