1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04670937
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
中川 博美 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (00237231)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊吹 京秀 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (90232587)
橋本 悟 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (90167578)
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Keywords | 成人呼吸窮迫症候群 / ARDS / マクロファージ / リポゾーム / クロドロン酸 |
Research Abstract |
本研究はまず成人呼吸窮迫症候群(ARDS)の動物モデルの確立を目指したものであり、当初エンドトキシンの肺胞内投与によるモデルを検討したが充分な肺胞上皮細胞の破壊が認められず、結果的に緑膿菌の直接肺胞内投与によって臨床的なARDSに近似したモデルが適当であることが判明した。緑膿菌は集中治療における日和見感染時にしばしば検出され弱毒菌ながら感染に起因するARDSの有力な原因菌と考えられる。緑膿菌を使った生体モデルにはしばしば好中球根絶動物が使用されるが、我々は肺胞での第一次防御機構である肺胞マクロファージの関与に着目し、肺胞マクロファージ根絶動物を用いて、緑膿菌による肺胞上皮細胞障害を検討することを目指した。肺胞マクロファージ根絶動物については従来より様々な方法が報告されているが肺胞マクロファージを特異的に根絶したモデルの報告は少なく、唯一、リポゾームに封入したクロドロン酸の肺胞内直接投与による方法が有力があるとされていた。しかしながらこの方法によってもラットでは肺胞内の70%のマクロファージが根絶されるにすぎず、モデルとしては不十分であった。我々は、リポゾームの剤型を検討しさらにエアゾールによるクロドロン酸の投与によって95%以上のマクロファージを根絶するモデルの確立に成功した。マクロファージ根絶モデル自体には肺障害は認められず、肺胞内マクロファージはほぼ4週にて完全に復帰することが知見として得られた。さらに緑膿菌投与による肺胞上皮細胞の障害の程度について検討し、根絶モデルでは肺障害が軽度となる知見を得た。現在更に好中球の関与も含めて検討中であるが更に約1年内外の研究期間が必要と考えている。さらにエアゾール投与による抗生物質療法、遺伝子治療についても現在検討中である。
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