1992 Fiscal Year Annual Research Report
各種ショックにおける内臓臓器の酸素遊離基産生量の測定
Project/Area Number |
04670942
|
Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
小川 龍 日本医科大学, 医学部, 教授 (50008215)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 聖孝 日本医大大学, 医学部, 助手
結城 禎一 日本医科大学, 医学部, 助手 (10174830)
|
Keywords | 内臓虚血 / 酸素遊離基 / スピントラップ法 / 出血性ショック / 内臓虚血ショック / 肺損傷モデル / 過酸化脂質 / キサンチン酸化酵素 |
Research Abstract |
ウイスター系ラットを対象として、(1)出血性ショック、(2)内臓虚血ショック、(3)臓器損傷モデル、を作製した。これらのモデルの臓器(肝臓、腸管、肺)をスピントラッパーと接触させるのに工夫を凝らした。肝臓はトラッパーであるPBNを加えたクレーブス液で均質化した。脂質部分をフォルク法で抽出濃縮し、ガラス細管に封じ込めて、ラジカル測定に供した。内臓虚血モデルでは、腸管(空腸)を用いて10cmの嚢を作り、その後腹腔動脈、上腸管膜動脈を30分間遮断解除した。ラヂカル測定時には腸嚢部にPBN液を注入し、その後腸嚢部分を切除して、フォルク法で脂質を抽出した。脂質部分をガラス細管に封じて、ラジカルの測定に用いた。臓器損傷モデルは、ラット気管よりキサンチン(100μg)とキサンチン酸化酵素(1-5u)の混合液を肺に注入することにより作製した。3-12時間後肺を摘出し、肺動脈をPBNを含むクレーブス液で還流した後均質化し、脂質部分を抽出した。脂質内の補足されたラジカルはESRシグナルとして測定した。 出血性ショック開始30分後よりスピンアダクト生成量が増して、2時間ではショック前値の270%に達した。内臓虚血ショックでは、虚血解除後一時的にスピンアダクト生成量が増すが、元の値に戻り、その後急激に増加した。キサンチ酸化酵素の阻害薬であるアロプリノールモ後のスピンアダクト生成量の増加を抑制しない。この結果は虚血によりキサンチン脱水素酵素がキサンチン酸化酵素に転換した事を支持せず、白血球などの細胞外液層に存在する細胞の役割を指摘した。肺の障害モデルでは、ラジカル産生系注入後スピンアダクトの生成量が増加し続けた。
|
-
[Publications] A Sakamoto,ST Ohnisi, T Ohnisi,R Ogawa.: "Free radical formation during splanchnic artery occlusion shock." Journal of Anesthesia. 6. 414-425 (1992)
-
[Publications] 小川 龍: "ショックとフリーラジカル" 集中治療. 3. 251-259 (1983)