1992 Fiscal Year Annual Research Report
泌尿器科領域悪性腫瘍における癌関連遺伝子群の異常に関する研究
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04670955
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
打林 忠雄 金沢大学, 医学部附属病院, 講師 (90151894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天野 俊康 金沢大学, 医学部, 助手
久住 治男 金沢大学, 医学部, 教授 (70019537)
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Keywords | 癌細胞 / 鶏卵法 / PCR法 / 泌尿器科悪性腫瘍 / 温熱化学療法 / 腫瘍壊死因子 |
Research Abstract |
癌の転移は、担癌患者の予後を左右する重要な因子であるだけでなく、転移現象の根幹にある遺伝子学的異常を知ることは基礎的研究のみならず臨床治療においても役立つものと考えられる。今回鶏卵法を用いてヒト腎癌・膀胱癌由来細胞株の鶏卵胎児の肺・肝への転移形成能や、転移巣に対する温熱化学療法およびTNF投与の抗腫瘍効果について分子生物学的手法を用いて検討した。鶏卵胎児を用い、孵卵10日目の鶏卵奬尿膜上の静脈に各樹立癌細胞を移植した。OUR-10、KU-2、KO-RCC-1 NRC-12、ACHN、KH-39およびKN-41の腎癌株とT24、KK-47の膀胱癌株さらにヒト胎児線維芽細胞株KMST-6の計10株を用いた。移植7日目に摘出した胎児肺および肝よりDNAを抽出した。ヒト特異的β-globin遺伝子のDNA配列(576bp)をPCR法にて増幅後、微小巣を含めた転移巣形成をサザンブロット解析した。移植後KMST-6では、移植3日目以降PCR雇物のバンドが消失したのに対し、T24では徐々にバンドの増強すなわち転移巣形成が認められた。光顕レベルでも同様の所見が得られた。T24が有意に高い肺・肝転移能が認められ、ついでOUR-10の肝転移能が高く、その他の細胞株では軽微であった。T24の肝転移巣に対し、移植3日目に種々の抗癌剤投与、温熱処理、TNF投与を行い、移植7日目に解析した。アドリアマイシン投与群、TNF投与群では、単独投与に比べ温熱併用処理により相加効果以上の転移巣増殖抑制効果が認められた。
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[Publications] 国見 一人・打林 忠雄 久住 治男: "腎癌におりるC-myc,C-fos,Harveyias遺伝子の過剰発現ーメッセンジャーRNAレベルでの検討" 日泌尿会誌. 82. 1924-1929 (1991)
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[Publications] 国見 一人,打林 忠雄 久住 治男: "泌尿器科悪性腫瘍における癌遺伝子増幅と癌抑制遺伝子の不活化ー制限酵素切断多型性分析による検討" 日泌尿会誌. 82. 1930-1938 (1991)
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[Publications] T.Uchibayashi,H.Hisazumi,K.Kunimi et al.: "Oncogenes and moleculargeretics of urological tumours" C.A.Olsson, 173 (1992)