1993 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト腎癌における脈管内遊離癌細胞の転移能に関する研究
Project/Area Number |
04670969
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Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
真崎 善二郎 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (40038716)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 伸二 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (10244013)
市木 康久 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (00193441)
井口 厚司 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (40136619)
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Keywords | 腎癌 / GMCSF / IL-6 |
Research Abstract |
腎癌4症例において、術中腎静脈から採血しGM-CSF、IL-6、IL-2を測定した。さらに腎摘除後腎臓を灌流し排液のGM-CSFを測定した。その結果4例中1例(症例3)において腎灌流液中のGM-CSFが有意に上昇していた。しかし、灌流液中の細胞診において、この症例のみでmacrophageが上昇しているという結果はえられなかった。術中腎静脈血IL-6およびIL-2測定結果は4例中1例(症例4)において正常値の10倍程度のIL-6高値がみられ、それ以外の3例についても末梢血のそれに比し腎静脈血IL-6がやゝ高いdataであり、tumor markerとして測定できる可能性が示唆された。IL-2はいずれの症例も正常範囲であった。上記4例はいずれも定期検診等で発見された偶発腫瘍であり腎細胞癌のtumor markerとして有用なIAPはいずれも正常であった。 病理組織標本検討の結果、GM-CSF上昇例においてはとくにmacrophageなど免疫系細胞の腫瘍周囲への集簇など観察されず、GM-CSF分泌がmacrophageを召集すると云う予測とは合致しない結果であった。しかし腎静脈血中IL-6が高値の症例においては腫瘍周囲に密なリンパ球の集簇が観察された。以上の結果は個々に興味あるdataと考えられるが、これらのあいだの相関がはっきりしないため症例を増やして検討の予定である。
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