1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04670980
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
馬場 志郎 慶応義塾大学, 医学部, 講師 (00051889)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 史郎 慶応義塾大学, 医学部, 助手 (80170504)
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Keywords | 血尿 / 赤血球膜 / 側方拡散 |
Research Abstract |
尿中に認められる赤血球の各種尿路疾患での変化を,赤血球膜側方拡散の変化でとらえようと以下の研究を行った。 側方拡散の測定は、赤血球膜をLissamine Rhodamine B sulfongl Chloride(LRSC35mg/ml)にてラベルし、螢光光退色回復法(fluorescence redistribution after photobleaching:以下FRAP法)によりdiffusion coefficicatを測定して行った。LRSCのラベルは0°C、30分間行って、PBSにて3回洗浄しface.LRSCを除去した。FRAP法はMeridian ACAS 570によりargonイオンレーザーを赤血球膜に50ms照射し、以後25秒間隔で10分間螢光を測定し、退色回復をKoppelのround cell analysisにより計算した。 当面の検査対象は4例の尿路結石患者で、尿中に赤血球を1視野あたり15個以上で、腎系球体疾患のないものを選んだ。患者の末梢血をEDTA採血LHEPESバッファーにて3回洗浄し、300のrpmで遠心分離して浮遊液とした。尿中赤血球は、検体を37μmナイロンメッシュでdebrisを除去したのち、遠心分離しHEPESバッファーに浮遊した。いづれの検体もLRSCでラベル後、サイトスピンにより観察用ガラス板に固定した。 (結果) 末梢血および尿中より回収された赤血球は双方ともLRSCにより、赤血球膜蛋白がラベルされ、螢光顕微鏡による観察が容易であった。FRAP法によるdiffusion coefficiencyは 末梢血赤血球では8.5±1.2×10 D111 D1cm D12 D1/sec、尿中赤血球では5.6±1.4×10 D111 D1cm D12 D1/secで後者でやや低下している傾向がみられた。今後 その他の泌尿器科疾患、および腎系球体疾患症側で同様にdiffusion coefficiencyを測定する。
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