1992 Fiscal Year Annual Research Report
各種HPV検出法の確立およびHPV感染例の追跡管理
Project/Area Number |
04670990
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
岩崎 秀昭 千葉大学, 医学部, 講師 (60124244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深沢 一雄 千葉大学, 医学部, 助手 (00189911)
稲葉 憲之 千葉大学, 医学部, 講師 (70114238)
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Keywords | ヒトパピローマウィルス(HPV) / 子宮頚部 / ハイブリダイゼーション |
Research Abstract |
子宮頚部病変におけるヒトパピローマウィルス(HPV)の関与を検討するために,1.各種HPV検出法の比較検討,2.HPV感染例のprospectiveな検査,3.子宮頚癌発症例のretrospectiveな検査.を行った。 1.HPV感染の診断法として,細胞診,組織診,免疫組織化学,徴微形態学観察の他,近年分子生物学の進歩による各種HPV DNA診断法の比較検討を行った。Dot blot法,In situ hybridizaton法(ISH)は,HPVの検出法として信頼性の高いSouthern blot法と比較し,感度,特異性ともに優れていた。またISH法をもちいて,細胞や組織レベルでの形態観察と同時にHPV DNAの局在や型同定を行った。ISH法でのHPV-DNA検出部位は,強いシグナルはKoilocytosisなどHPV感染に伴う形態変化がみられる部位と関連していた。また弱いシグナルは高度異形成や上皮円癌の全層でみられた。 2.ドットブロット法,ISH法にてHPV DNAの検出を行った症例のprospectiveな検索では,HPV非感染例に比しHPV感染例で,またHPV感染例の中ではいわゆるlow risk群に比し,high risk群で,高率に病変の進行例がみられた。 3.子宮頚癌発症例のretrospectiveな検査では,過去の検診時の組織診で,いわゆるhigh risk群のHPV DNAが検出され HPV感染がすでに存在していることが示された。 以上,HPV感染の診断法の確立,型別存在様式の比較およびprospective,retrospectiveな検査を行うことにより,子宮頚部前癌病変,頚癌のNatural history,haths genesisの解明のための研究を行い,HPV感染と子宮頚部病変との関連性が徐々に明らかにされた。
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[Publications] 岩崎 秀昭: "HPV感染例のProspectiveな検査-ring Type TM-を用いて" 医学と薬学. 27. 55-60 (1992)
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[Publications] 計良 恵治: "子宮頚部組織に対するISH法・によるHPV DNA検出例のProspective,retrospectiveな検査" 産婦人科の実際. 41. 839-847 (1992)
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[Publications] 堀内 文男: "子宮頚部病変におけるHPV-DNA局在と組織学的診断" 日本臨床細胞学会雑誌. 31. 444-449 (1992)
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[Publications] 岩崎 秀昭: "コルポスコピーの実際" 日本産科婦人科学会雑誌. 44. 165-168 (1992)
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[Publications] 岩崎 秀昭: "ヒトパピローマウィルス(HPV)と単純ヘルペスウィルス" 産科と婦人科. 61. (1993)