1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04671021
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小林 俊文 慶應義塾大学, 医学部・産婦人科, 助教授 (30051460)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 唯純 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90208645)
末岡 浩 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90162833)
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Keywords | X・Y精子分離 / SRY遺伝子 / PCR / FISH / DXZ‐1 / DYZ‐1 / Percoll / 密度勾配遠心分離法 |
Research Abstract |
睾丸決定遺伝子(SRY gene)を用いて分離精子の性を遺伝子レベルで解析し、蛍光を用いた遺伝子プローブによるFluorescence In Situ Hybridization(FISH)法の手法を応用した解析と並行させて、確実な分離法の確立と、伴性遺伝病患者または保因者に対する疾患の発現阻止のためにこの分離精子を用いた生殖技術の確立することが本研究の最終的な目標である。これまでに血液細胞や羊水細胞を用いたSRY遺伝子のPCRによる遺伝子増幅と電気泳動による解析法を確立した。しかし、精子細胞の膜構造が他の細胞と著しく異なっているため、精子頭部の核内に遺伝子プローブを取り込ませてハイブリダイズおよび増幅することが困難であった。そこで、精子細胞のdecondensationを誘発するために、リチウムおよびdithiothreitol(DTT)処理による精子処理条件とその効率について検討した。その結果、DTT処理により精子核は約3倍に膨化し、FISH法においてもPCR法においても遺伝子プローブを取り込むことができる安定した方法を確立した。また従来用いていたキナクリン法によるY染色体の検出効率との相関を検討した。性遺伝子の検出は、FISH法ではXおよびY染色体に特異的な遺伝子プローブとしてDXZ‐1,DYZ‐1を用いた。精子の分離法は現在パーコール法による遠心分離法を用いて部分分離を行った後、FISH法でこのXおよびY精子の分離効率を確認する方法を用いている。さらに遺伝子増幅の効率を向上させるための検討として、サケDNA内で増幅すべき遺伝子の細胞数を減少させる試験を現在なお行っており、単一の細胞遺伝子からでも安定した遺伝子解析を可能にするべく検討を行っている。
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