1992 Fiscal Year Annual Research Report
受精阻害モノクローナル抗体認識ヒト精子先体蛋白抗原エピトープの分子生物学的解析
Project/Area Number |
04671026
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
香山 浩二 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (00068496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤谷 昭子 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (50212402)
山崎 則行 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (50174644)
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Keywords | 精子不動化 / 受精阻害 / モノクローナル抗体 / 精子付着精漿抗原 / 遺伝子クローニング |
Research Abstract |
1.受精阻害モノクローナル抗体の作製 CBA/Nマウスをヒト精子膜分画にて免疫した後、そのマウスよりリンパ球を分離し、マウス骨髄腫細胞NS-1と細胞融合することによって抗精子モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを多数樹立することに成功した。それらの培養上清を用いてヒト精子を蛍光抗体法にて染色し、精子と反応する抗体を選別した。さらに、透明帯除去ハムスター卵及びヒト透明帯とヒト精子を用いた受精実験系において、受精現象を阻害する抗体を選別した。その結果受精阻害モノクローナル抗体(MAb)を産生するハイブリドーマ1G12を得た。このMAb1G12は、強いヒト精子不動化作用も有していた。 2.MAb1G12が認識するヒト精子抗原の同定 ヒト精子抽出蛋白をポリアクリルアミドゲル電気泳動にて分画し、MAb1G12を用いてWestern blot法にて対応抗原を解析したところ、非環元および還元条件下で、ともに15-25kDに多様性バンドを認めた。TFMS処理したヒト精子蛋白を用いた場合には、約15kDの単一バンドを認めた。ヒト精漿を用いた同様の実験でも、同じ結果を得た事から、MAb1G12の対応抗原は、精子付着精漿抗原と考えられる。現在ヒト精子を用いて抗原蛋白を精製し、そのアミノ酸配列を決定することを試みている。 3.MAb1G12の対応抗原遺伝子の単離 対応抗原のアミノ酸配列が決定されていないので、遺伝子の単離に関しては、MAb1G12を用いる方法を行った。ヒト精巣cDNAライブラリーをMAb1G12でスクリーニングした結果1つ陽性クローンの分離に成功した。このcDNAクローンは、塩基配列を決定したところ334アミノ酸残基をコードすることが判明した。さらに5'上流にコーディング領域が存在する事も判明した。現在その領域遺伝子の単離を行っている。また、このcDNAを発現ベクターに組み込み、大腸菌に導入し発現させた蛋白は、MAb1G12と反応することを確認した。現在さらに対応抗現エピトープ等について解析を行っているところである。
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