1992 Fiscal Year Annual Research Report
| Project/Area Number |
04671028
|
|---|
| Research Institution | University of Tsukuba |
|---|
Principal Investigator |
原 晃 筑波大学, 臨床医学系, 助教授 (10156474)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武山 実 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (60179679)
高橋 邦明 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (70197135)
|
|---|
| Keywords | 内耳蝸牛 / フリーラジカル / 金属イオン / 過酸化脂質 |
|---|
| Research Abstract |
フリーラジカルと関係の深いとされる金属イオン組成に関し注目すべき結果を得た。即ち、
1.誘導結合プラズマ発光分析法を用いて、これまで世界的にも全く報告のなかった内耳蝸牛外リンパ(鼓室階外リンパ)に於ける鉄・銅・鉛亜鉛の存在を確認し定量した。Zn-SOD等の関係で大変興味深い。
2.アノキシア負荷前・負荷中・負荷後に於いて、蝸牛外リンパ中の金属イオン組成の変化を検討した所、鉄のみがアノキシア負荷(3分間)解除後5分で有意に濃度上昇を示した。この鉄濃度上昇はアノキシア負荷解除後15分,30分ですみやかに元のレベルに復した。この事は、フリーラジカルによって鉄イオンが二価(] SY.dblarw. [)三価のconversionを起こしさらにその鉄イオンがフリーラジカルの産生を生み、その結果として細胞障害・細胞膜に於けるイオン輸送機構の障害をひきおこすと言う脳細胞に於けるこれまでの報告と考え併せ注目すべき結果と考える。又、内耳に於いてもアノキシアや音響負荷にフリーラジカルが関与している事の一つの傍証と思われる。
一方、外リンパ中に於ける過酸化脂質の定量に関しては、高速液体クロマトグラフィーによる分離後、電気化学検出器を用いて定量すると言う方法論は確立し得たが、外リンパ中(検体量2μl)にはその存在を確認し得なかった。従って当初の予定通り次年度は、蝸牛組織殊に血液の維持・イオン組成の維持に関係の深い蝸牛血管系を中心としたlateral wallの組織に注目し、その過酸化脂質動態の解明につとめる所存である。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Akira Hara: "Metallic elements in the perilymph measured with an inductively-coupled plasma atomic emission spectrometer" Hearing Research. 59. 117-120 (1992)
-
[Publications] Jun Kusakari: "The hearing of the patients treated with homodialysis:A long term follow-up study" Auris・Naris・Larynx(Tokyo). 19. 105-113 (1992)
-
[Publications] Hidetaka Kanno: "The effect of endocochlear potential suppression upon susceptability of acoustic trauma" Acta Oto-laryngologica(Stockholm). 113. 26-30 (1993)
