1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04671036
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
服部 琢 名古屋大学, 医学部, 講師 (10172933)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植田 広海 名古屋大学, 医学部, 講師 (20213358)
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Keywords | 誘発耳音響放射 / e-OAE / 急性感音難聴 / 突発性難聴 |
Research Abstract |
平成4年度の目的の一つである誘発耳音響放射(e-OAE)測定系の整備は順調に終了した。 現有の汎用平均加算機に音刺激装置、音響プローブを付加・調整することによりe-OAEの測定を可能とした。臨床面では、急性感音難聴(主として突発性難聴)における経時的なe-OAE測定を開始した。これと共に、音響プローブの調整を行って、動物実験も開始し、モルモット正常例での測定を可能にした。 突発性難聴を中心とした急性感音難聴症例においての研究では、e-OAEのデーター収集も30例をこえ、統計処理が可能になってきた。その結果、e-OAEのfast,slowの二つの成分の時間的経過は、聴力レベルの回復経過・程度にほぼ一致する、もしくは解離する、いくつかの型を示すことがわかってきた。その理由は内耳内での障害部位及びその程度の組み合わせの差によるものと考えられた(第37回日本聴覚医学会にて発表)。 また、健側耳でも、従来は変化しないと考えられていたe-OAEの変動が観察される例が発見された。突発性難聴の病態の一つと考えられるビールス感染が無症候性に反対側内耳にも成立しているためと考えられた(第93回日本耳鼻咽喉科学会総会にて発表)。 動物実験では耳毒性薬物の投与に伴ってe-OAEの出力が可逆的に変化、場合によっては消失することがわかった。その作用部位が主として代謝に依存する微細機構であることが示唆された(第93回日本耳鼻咽喉科学会総会にて発表)。
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